平成シリーズで、伊福部昭ゴジラ映画音楽復帰三作目の作品です。
ここに来て、ゴジラのテーマが以前のモティーフに変わったのが特徴です。
ご本人曰く「曲がうまく繋がらないので・・・」との事でしたが、よりシンフォニックな響きが印象的な作品でした。
この映画に関しては、自作をご本人が語っているのであえて書く事もないのですが。。。。
昨日の僕の日記を読んで、お師匠さんの西脇博光先生が語りたくなってしまって
メールを送ってくださいました。
以下、ご参考になると思いますのでお読みいただければ幸いです
■鈴木さんへ先日、リハーサルに立会いました。
指揮者の斎藤先生は伊福部先生の映画音楽をよく理解しておられますね。
今回の作品、「ゴジラVSメカゴジラ」について鈴木さんのサイトを介してファンの方にいくつかお話ししたいことが頭に浮かびましたので、この場をお借りして申し述べたいと思います。
またこれから述べる事は、伊福部先生がよく話していた言葉ですので、ご参考になると思いますよ。
■先生は、たとえそれが機械と言う無機質な存在であっても、乗って動かすのは人間ですから、音楽で表現する場合、自然と生命力ある重厚感が出るように意識しています。
メカゴジラは巨大ロボットですが、やはり人間が操縦しますので、重厚感溢れながらも人間味ある音楽にならざるをえないのです。蒸気機関車であれ、電気機関車でも同じ意味を持ちます。
それは佐久間ダムでも巨大メカのフレーズが出てきます。これらのメカニックでありながら、生命力あふれる音楽を聴くということを前提で鑑賞すると、伊福部先生の機械に向き合う創作過程を、よりよく理解できるのではないでしょうか。
■当初メカゴジラは音楽設計上メカニックな部分を意識的に要素として組み込んでいましたが、実際に演奏してみると、どうもしっくりこない。そこで、観客が画面に自然と入り込みやすくなるという観点からも"最後は人間"なのだと言う事を実感し、トロンボーンのフラッターなどを使い甘くならないようにしました。
と私にお話してくださいました。
■余談になるのですが、逆に昭和50年の「メカゴジラの逆襲」の時のモティーフは無線操縦される無人ロボット(機械)でなので、敢えて無機質な意味合いで乾いた感じになるような音楽を付けていました。
今回のリハーサルに立会い、先生がお話した先の例えをまさしく実践されたと席に座りながら感銘を受けましたし、その場の演奏でも的確な指揮をされていましたね。
とても期待できる演奏会になるのではないでしょうか!
西脇博光
そして、さらにビッグニュース!!
ゴジラVSメカゴジラの指揮者・今井聡先生も当日来場予定ですし
原稿をいただきました。 映画の録音の部分も少し書かれております。
今井聡先生の文を読んで、上の動画を見直すとまた新たな発見がわかりますよ!!
おたのしみに~
おまけ