「公務員のための場づくりのすすめ」 | .

「公務員のための場づくりのすすめ」

名古屋から水戸に昼過ぎに帰って来ましたが、

午前中の名古屋駅、昼頃の品川駅もたくさんの人出で、

とても今コロナの感染状況が深刻になって来ていると

いった感じではないですね。

 

さて今週5日から再開した「鬼っ子日記」は、

基本、土日はお休みしようかなと思っていたのですが

今日はぜひ紹介したい本があるので書き始めます。

 

昨日からの名古屋への旅の道中で、

ずっと真剣に楽しく読み込んでいた一冊です。

 

 

『公務員のための場づくりのすすめ』 助川達也著 公職研

 

茨城県職員である助川さんが初めて書かれた本。

 

助川さんは長年、「茨城のまち歩き」や「ネオ県人会・ツナグ茨城」、

また自治体職員でつくる「自主研」などを

次々に仕掛けている、正直珍しい(貴重な)県職員です。

 

序章で書かれている内容を少し紹介すると、

 

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 今、そしてこれからの自治体職員に求められる能力として、

関係性をデザインし、人と人を結びつけていく力が注目される

ようになっています。すなわち「構想力」です。このような変化は、

皆さんも日ごろから肌で感じていることでしょう。計画を作成し、

予算を獲得することだけが仕事、といった時代はもう終わりです。

 これからの自治体職員は、多種多様な関係者をつないでいき、

それを何らかのかたちにしていく、もっと言うと、職員や地域の

人たちの力を引き出して、皆にとってよい方法で事業を前に

進めていく、そういったスキルが求められてきます。

そこで重要になってくるのが「場づくり」なのです。

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まさに、大いに共感しています。

 

もう15年続けている

早稲田大学マニフェスト研究所「人材マネジメント部会」も、

その目的は、

地方創生時代の職員・組織を育て、創ること。

つまり、生活者起点で地域経営をリードする人材の育成と

組織づくりですから。

 

この本が、読みやすく、わかりやすいのは、

「場づくり」の場を、4つの場に分けて、それぞれに求められることや

気をつけなければならないことを、具体的に、事例を多く使って

書かれていることです。

 

自治体職員の「場づくり」を、大きく4つの分類にジャンル分けをしています。

ひとつの軸は、「仕事か、仕事ではないか」

もうひとつの軸は、「対象が、自治体職員向けか、地域の人たちか」

 

4つの場は、

1.「業務上×対職員」=「職場」

2.「業務上×対地域」=「現場」

3.「業務外×対職員」=「”学”場」

4.「業務外×対地域」=「”街”場」

 

またそれぞれ4つの場の最後に、その場で先進的な取り組みをしている

自治体職員へのインタビューが載っていて、

その内容がまた学びと気づきの多いものになっています。

 

例えば「職場」では、「対話で、導く職場づくり」として福岡市役所の今村さん、

「現場」では、小美玉市の中本さんが「地域の人は対等なパートナー」

中本さんは、「ヨーグルトサミット」の仕掛け人で、

「肝高の阿麻和利」茨城公演でも企画の段階から一緒に活動してきた同志です。

 

またこの本は、読み進めていけばいくほどに助川さんの熱い思いが

言葉ひとつひとつから伝わってきて、ワクワクしながら読んでいました。

 

きっとその理由が、後半の2つの場、「”学”場」と「”街”場」が、

まさに助川さんが、長年主体的に強く関わっていて、

ライフワークのようなものだからだと思います。

おそらく助川さんも、後半の2つの場については、

まだまだ書き足りない、これだけでももう一冊書ける!と

思いながら書かれていたんじゃないでしょうか。

 

助川さんのような、損得でなく、志高く動く人がいるからこそ、

関東自主研や茨城での自主研、地域の人たちを巻き込んでの活動が

生まれ、成果を上げていくことができるんですね。

 

そう考えると、助川さんのような人、リーダーがひとりでも多く生まれてくる

というか、自治体職員ひとりひとりが心の中に持っている

「人のため、地域のために」のスイッチをオンになるきっかけや環境を

つくっていくのが、僕自身のやるべきこと(やりたいこと)なんだなぁと

読みながら考えていました。

 

この本は、全国の自治体職員の方に強くお勧めする一冊ですし、

人材マネジメント部会の参加者には、絶対に読んでもらいたい。

 

助川さん、素晴らしい本をありがとうございます!

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