国際政治学者の高坂正尭氏(こうさかまさたか・故人)が唱えた国際政治の3要素「力の体系」「利益の体系」「価値の体系」の理論は国家の行動原理として現代の情勢に当てはめて考えることも出来ると思いますが、今の国際社会における現実主義(リアリズム)では「価値の体系」、すなわち倫理観という人類共通の価値観が「力と利益」の要素に押されてバランスを崩してしまっているようです。国連などの国際機関の役割にも限界が見えた状態で様々な転換期を迎えているとも言えるかもしれません。

 今の世界情勢は冷戦終結(1989年マルタ会談)以後、超大国として君臨してきた米国が同時多発テロ(2001年)からの流れで勃発したアフガニスタン、イラク戦争やその後のリーマンショック(2008年)の影響から経済力の低下や資本主義の行き詰まり感等で国際的な影響力を落としていきました。そうは言っても米国の国力は大国であることに疑いはありませんが、現在の世界情勢は複数の勢力が拮抗した大国が顕在しているのです。中国やロシアに加えてインドも大国と言える力を付けています。

コロナ禍が明けて大国同士は勢力均衡しながら駆け引きで自国の利益確保に動きます。その競争が激化する状況においては価値の共有による連帯感、そして人類共通の倫理観がどうしても蔑ろになる現状はある意味仕方ないかもしれません。日本の立ち位置も変わり、中国との経済力が2010年を境に逆転し、中国は更に勢力を拡大し米国と対峙できるまでになっています。超大国という主を失い、全体の調和が崩れ始めると力の弱い所が押しやられていきます。世界を見回せばあらゆる地域に大国の思惑が張り巡らされ、弱小地域に歪が生じているようにも思えます。但し、中長期的に見れば国際情勢も動き続いていく上で様々な再編成などを経て、やがては先に書いた3要素のバランスを取り戻していくのではないかと思うのです。

何故なら、人間に例えてみてもどんなに力のある者でも人は一人で生きていけるわけではありませんから・・・・・・

 

 

 

 高市総理が自民党の新総裁に選ばれた時のスピーチの中で「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がありましたが、これは使用者側に対して適正な働き方を労働者に用意することを促すものです。

しかし、労働環境で「ワーク・ライフ・バランス」がキープされたとしてもデフレから年々物価上昇が続くインフレが加速している現在では多くの方の賃金が実質手取りのマイナスが常態化しています。それでは全体のバランスが良い状態とは言えません。そこで私たちが作り上げていかなければならない社会は充実した仕事と私生活に加え、将来も含めた経済不安の解消なのです。この考えを元にA Iにいくつか案を出してもらって僕が選んだのが「ウェルビーイング・トライアングル (Well-being Triangle)」なのです。就業意欲がファイナンスを生み出し、ライフの充実が仕事の生産性を高める効果を生む社会。このモデルとなる社会をどこの国が実現させることが出来るでしょうか。今年4月に書いた「社会の窓179 新日本列島改造論」は理想的で現実的ではないかもしれませんが100年先の実現を想定したのはそのくらいの時間をかけた構想なら実現できるのではないかと思ったのです。

「ウェルビーイング・トライアングル」が将来、流行語大賞にノミネートされるとしても、かなり先というか僕のいない世界なんでしょうね・・・・(笑)。

 

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12月11日(木)12:10

心を揺さぶったこの一枚96 「吹けよ嵐、呼べよ嵐」

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心を揺さぶったこの一枚 97 King Crimson - Providence

 

 

Sound Scenery 184 久道広告研究所 9 「真夏の白昼夢」

"I had a kind of waking dream..." Sound Scenery 184.5

Sound Scenery 185 "Not Bamboo, Not Trees—Just Stone" 「竹でも木でもない、ただ石になりたい」

「真夏の白昼夢」公開後日トーク 後藤常夏&久道竿

 

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