Michel Petrucciani - Estate(1982) | 全ての音は音楽か

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1.Pasolini
2.Very Early
3.Estate
4.Maybe Yes
5.I Just Say Hello
6.Tone Poen
7.Samba Des Prophetes
 
Michel Petrucciani(piano)
Furio Di Castri(bass)
Aldo Romano(drums)
 
Recorded and Mixed at Forum Rec Studio(Rome)on march 29, 30, april, 16. may 5-1982 by Sergio Marcotulli
Produced by Maurizio Giammarco, Federica Roa, Amedeo Sorrentino
 
ミシェル・ペトルチアーニの作品。19歳の時の録音です。
 
親しみやすいメロディが耳になじむ1。明るく可愛げな曲です。2はビル・エヴァンス作曲。軽やかにスウィングする見事な演奏です。3はどこか物憂げで哀愁漂う演奏。4はイントロの55秒間のドラムからもイメージできるような速いテンポの曲です。3分45秒は短いような気持ちにもなりますが、なかなか楽しめる曲です。一転して静かで落ち着いた5。単純に落ち着いたというよりも、内面的な気持ちの動きを表しているかのような印象もありました。素直な明るさを感じさせる6。こういう感覚がTrio In TokyoのCantabileのような雰囲気につながっていったのでしょうか。何かを無理やり語ることは無く(沢山書いてしまいましたが)、ただいい演奏という印象でした。最後の7はスピーディーでノリの良い曲。
 
初期の名盤と言われる事が多いのも納得の内容だと思います。勢いだけで突っ走る事もなく、変に落ち着いてしまっている雰囲気もなく、リラックスして(リラックスといっても気楽で軽いだけの内容ではないと思います)楽しめる内容だと思いました。
 
また、曲や演奏のほかにピアノの音もとても気になりました。どちらかといえば鋭角的な音で、こもった温かみのある音というより、繊細でガラスや風鈴の音のような、そういうイメージの音でした。人それぞれ好みはあると思いますが、僕はこの音は良いと思いました。3曲目などはこの音が繊細さや儚さというイメージをより強めているのだと感じました。
 
ジャズやピアノが好きな方は知っている方が多いと思いますが、知らなかった方やまだ聴いた事の無い方は一度聴いてみて下さい。とても良い作品だと思います。
エスターテ/ミシェル・ペトルチアーニ