あの頃・・拘置所、独居房にて | 寿 栄 -鎮魂の歌

寿 栄 -鎮魂の歌

養護施設生活&矯正施設生活を総算すると人生の半分以上の割合を占める悪たれ人生を、最後の懲役となる約8年余りの服役生活のなかで、思い描いた文章をまとめています。

繋がれた刑舎でひとり 膝を抱えて 私は

             無情に過ぎ去る刻と闘っていました

 暗闇のなかで 触れるもの全てを 投げ捨て

  粉々に砕け散ったその破片で 自分の心を傷付けていたのです

 

・・・苦しくて ・・切なくて・・寂しくて・・

 

顔をあげると

   汚れた壁のなかで 怨み続けた あいつが笑い

     哀しみと 憎しみに震えながら 拳を固めた私は

              白い壁を殴り続けていました

 

明日さえも見えない 歪んだ道を 真っ直ぐに切り開くほど

     勇気も 力もなく 私はただ膝を抱えて

          無情に過ぎ去る刻と闘っていました

   ただ、ひたすらに 自分で自分を傷付けながら