30数年前に突如として病魔に蝕まれた。
心臓の病気。
前日まで元気だったのにある日いきなり。
立ち上がることさえできない。
病院をたらい回しにされ最終的に(三重大)大学病院へ。
ここで数日間に渡る精密検査で出た診断結果に両親は俺の隣で必死で涙と嗚咽を堪えていた。
娘を喪い(妹がいたのですが亡くなっています)次は息子まで…と思っただろう。
相次ぐ不幸の連鎖。
俺自身もまたあの夏の真っ青な空を病院の窓から見上げながら怨嗟の炎をひたすら燃え上がらせていた。
子を持つ親となった今、あの時の両親の心中を察するとあまりにも酷い。
余命は5年。
最長、薬漬けで10年。
30歳まで生きる事はほぼ不可能。
どうにか日常生活を送れる薬が見つかるがあくまでも治療の為の薬ではない。
運動も厳しく制限された。
それから2年。
美容師として美容院で働いていた俺は先生からある「拝み屋」を紹介された。
占いに興味の無い俺は「そう言うのは興味無いので」と断ったのだが…。
「何故かその先生が田中さんに会ってみたいって言うのよ。お金も取らないしとにかく会って話がしたいって言うの。
私も不思議なんだけど私の顔を立てると思って。」と言う。
仕方なく次の休日にその拝み屋を尋ねる事となる。
眼前に座る老人はまさに好々爺と言った風情でニコニコと笑って俺を出迎えてくれた。
「あなたは神様を信じてへんなー?でもそれも神様から許されとるんやな。
このじさん(爺さん)にも神様って言ってええのかどうか解らんのだけど。
せやでこんなじさんの言う事なんか余計に信じへんわな〜」と言ってくる。
「ここも来たくなかったやろ?せやけどあんたの先生に言われて嫌々来たんやな?」と笑い「せやけどワシがどうしてもあんたの顔を見たかったんや。先生から君の事を聞いてな。面白そうな子やな〜って。ごめんやで。」
毒気を抜かれた俺は勧められるままに腰を下ろした。
紙に名前と生年月日を書く様に言われ書く。
「ほぅほぅ…これはこれは」
暫く俺の顔を見つめ「普通の人はな神様から試練を与えられるんや。
さっきも言うたけど神様て言うてええのかワシにもよぉ解らんのやけど…。
せやけどあんたは自分で自分に試練を課して行く人なんやな。
(中略。宗教的なお話し、曜日に関するお話が続きましたが意味があまりわかりませんでした)
せやけど乗り越える事が出来たら人がよおけ集まってくる。あんたの成長に。」
なんとなくこの人なら先生にも言った事がない病気の事を言っても構わない気がした。
「せやろ?あんた大変やろ?せやけどあんたのお母さんはもっと大変なご苦労のはずやな?どれ背中見せて。」
石みたいなので背中をゴリゴリこすり「はい、こっち向いて」
「もう治ってるで」と笑う。
そんなはずはないと言う俺に「病院に薬だけもらいに行ってるやろ?今度ちゃんと診察を受けてみ?診察受けてたら治ってるってもっと早く解ってたはずやでな。
もう今日から薬もやめときや」
「勘違いしたらあかんよ?これはワシが治したとかご先祖がとか神様がとかと違うねん。あんたには神様も悪いもんもついてへん。あんたは自分自身で…な。せやで病気が治った事は誰にも感謝する必要はない。ただあんたがこの世に生きてるのは先祖さんが血を絶やさず繋いできてくれたおかげやでな。それは感謝し。暇な時にお墓掃除でもしておいで」
「ところで…治らない病気が治る事を何て言うか解るか??」
「いや」
「それをな、奇跡って言うんやで」と笑う。
半信半疑の中、休日前に恐る恐る薬の服用をやめる。
通常12時間以内に飲まないと立ち上がる事さえ困難なはずが夜になっても日が明けても何ともない。
全く普通に動ける。
走れる。
久しぶりに病院の診察室を訪れた俺は主治医に叱責される。
「何度も電話したのに何故来ないんですか!薬は取りに来てたみたいだけど。」
「薬はちゃんと飲んでる??」「いえ、飲んでません」「飲んでないって?!動けるの?!」と検査にかかった。
ありとあらゆる検査。
1日かけての検査の結果を見て主治医は真っ青な顔で「そんなはずは」と言いながら首を傾げる。
心肥大、心筋の厚さともに健康な心臓の基準に戻っていた。
心拍も正常。
「ありえない…」と以前撮った写真と比べ俺に説明する。
診察ミスとかじゃない事は動く事が出来なかった俺が1番理解している。
そして…「医者として本当に申し訳ないが何が起きたのかさっぱりわからない。」
「ですが…完治しています。おめでとう。」
ひょっとしたら鬼籍に入っていたかも知れないあの夏。
俺は圧倒的な自由をまた手に入れた。
診察室を出る時。
主治医が誰に言うともなくポツリと言った。
「奇跡だ…」
#powerneverdie
#priceofpride
#30年ほど前に起きた不思議
#今でも神様信じてまへん
#あなたにも奇跡を
#そして俺は今や…
#こんな感じ(笑)
#みんな、ありがとう!
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#兼
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#俺が
#田中智幸
