5年前の秋に肺に腫瘍が見つかった。
1年後の生存率は60%、5年後は5%ぐらいと医師から告げられても特に焦る事も無かった。
医師は「田中さんって動じませんね」と笑ってたが当たり前だ。 それよりもはるか前。
実は1度余命宣告を受ける病気になっていた。 10代の後半。
聞いた時は「絶望」した。
それが少し日が過ぎると「何故俺が?」と言う「怒り」に。
そして「後悔」へ。
そして「絶望」「怒り」「後悔」のその先にあるのはたった1つの感情。
「死にたくない」だった。
死への恐怖に毎夜苛まれた。
自暴自棄の時期を数ヶ月過ごした後に気がついた。
「今俺は生きている。
このまま死への恐怖で日々を過ごすのはとてつもなく勿体無い事ではないか。」
そう思うと途端に気持ちは楽になった。
絶望、怒り、後悔を経て最後にたどり着いたのは「感謝」だった。 ただただ生きてる事への。
家族へ。
友人へ。
恋人へ。
そして奇跡は起こった。
不治の病は完治しまた人並み以上の身体を手に入れた。
それから20数年後の一昨年。 肺に腫瘍と言われても動じないどころか楽しみでさえあった。
「このやっかいなのを倒す事が出来れば人として、男としてどれ程の成長が俺を待っているのか。」
手術室に入る前に言われてた事があった。
「名前と手術ヶ所の確認に答えて下さい。」
「分かった」とニヤニヤ笑いながら手術室の中で「手術する場所の確認なのですが…」 「手術するとこ?男前過ぎるからちょっとブサイクにしてくれ。」
手術室は爆笑に包まれ既に気心の知れてた医師は「いやいや!田中さん!男前はそのままですよ!さー、切りましょうか!」
「おー!やってくれ!!」
開けてみれば。
9割がた悪性と言われてたのが良性で。
俺はまた命を拾ったのかも知れない。
みなさん、命を燃やしてますか?