前回は猫の死因から、近年の生活環境の変化による生活習慣病の影響をお話ししました。
では、犬は?というと…犬種やサイズにより、かなり差異があります
まず年齢別の死亡原因を見ると
10歳(1782頭)
15歳(3750頭)
年齢でかなり内容が変化しているのがお分かりになるかと思います。特に10歳では死因のトップだった腫瘍(ガン)が大幅に下がり、泌尿器疾患が大幅に上がってますが…これには大きな理由があります
今回のアニコム家庭動物白書2023では、10キロ以下になる犬種を小型犬、それ以上で20キロまでの犬種を中型犬、それ以上を大型犬として集計していました
中型犬以上では、腫瘍の比率が小型犬に比べて高い傾向が顕著に表れていて、その差は3倍ほど
これは8歳以上の大型犬です
遺伝性もあると思いますが、歳の取り方が違う…
よく犬の一年は、人間の4年分歳をとると言われますが、大型犬は一説によると7歳ずつとも言われています成長は逆に大型犬は緩やかなので、同じ10歳でも小型犬が56歳なのに対して大型犬は75歳とかなりの差があるんです。急速な加齢による代謝能力の低下が癌を誘発しているのかもしれません
ですが、これを見る分には大型犬に生活習慣病の傾向はあまり見られない
それが全犬種となると…
やはり猫同様に泌尿器疾患や慢性腎不全が上位になってますそうなんです、小型犬の比率が高い昨今ではお客様の高齢犬での食事の相談の多くが腎臓関連なんですよ
あと、近年急増していると獣医さんから聞いているのが6位になっている膵炎嘔吐や下痢が続き胃腸障害かと診察を受けたらこれだったという感じのようですどちらも沈黙の臓器と言われる内臓ですが、ダメージの蓄積で発症することが多い…
完全に防ぐことは不可能ですが、ある程度は飼い主さんの意識で下がると思うんですよね
気をつけなければならないのは「ずっと子供のように捉えてしまうけど、7歳過ぎると40代の中年期若い頃のつもりで食べていると、いままで起きなかった事が起きちゃうお年頃」だってことだと思いますその年代を越えてくるとわかる事ってありますよね…40代も後半になると、同世代の友人と話すと高脂血症・糖尿病・脂肪肝・尿路結石なんて話がしばしばでますでもそれ、犬も同じなんです
特にお肉やそれを利用したおやつ、脂肪分や塩分や糖分が多くなったパン🍞なんかをよく食べている子がなりやすい傾向があります。ササミは大丈夫!って思っている方も多いですが、これも含有している脂肪分だけの話で、近年ペットフードメーカーが減らす工夫を始めているリンは少なくありません
大事なことなので、もう一度言います!嘔吐を伴う下痢が何度も続いたら、動物病院を受診しましょう
ですが、お客様とお話ししていて「そんな!年を取ったらお楽しみがなくなるってあんまりだ」と言われる方も少なくありません
確かにいくつになっても大事な我が子に変わりはないって愛情も年齢を重ねていることを受け入れたくないって感情もわかりますよね
おすすめしているのが、ミックスフィーディングという食事の方法食べているドライフードのメーカーのものがあれば最適ですが、ウェットフードを一緒に与えるという方法で、特に珍しいわけではないのですが、目的が嗜好性を上げるためではなくウェットフードの消化性の高さと年齢に伴う飲水量の不足を補うのが目的です
こういった表示のあるものがベスト
一般食と書いてあるものだと嗜好性を上げることを重視しているので、脂肪分や糖分が多くてかえってお腹に負担をかける場合もあるのでご注意を
ミックスフィーディングは尿路トラブルや腎臓トラブルの多い猫によく推奨される方法なのですが、どうも高齢期の犬も同じ傾向があります
確かにウチの中で動かないとかなると同じっぽいですよね。今回はプードルの糖尿病の増加傾向の話から生活習慣病について書いてきました
病気はなくすことはできませんが、少しでも減らすことができれば未来はまた変わる
それは飼い主さんの力なくして成し得ないことです少しでもお役に立てればと思いながら書いてみました、最後まで読んでいてありがとうございました(^人^)