動けるデブというのは、よく聞くフレーズだ。
だが動けるホームレ●というのは、耳なじみがない。
目撃したひとも、ほとんどいないと思う。
で、それを、みた。
最近電車通勤が多いオレは、車内で彼と遭遇した。
彼は電車がホームで停車し、ドアが開くやいなや
一目散にダストボックスへ‥。
数秒で獲物を捕獲し、今度は同じ車両の出ていったのと
別のドアから入ってくる。
なんていう斬新なムーヴ!!
電車は動きだし、次のホームへ。
この、同じドアから入ってこないという照れ。
彼らの中には開き直り系が多いなかで、実に好感の持てるひとだ。
気づいたのだが、同じ沿線のホームというものは、ある程度
何番車両の近くにダストボックスが置かれている‥という決まりがあるのだろう。
彼の動きには、なんとも無駄な動きがない。
手の内を知り尽くしたプロレスラー同士の、試合の序盤に繰り広げるリストの取り合いのように
美しい動きだ(わかる?)。
だが、何度も繰り返すうちに、やはり車内の乗客も彼の普通ではない
アクションに気づきはじめた。
「プシュ~~~」。
ドアの開閉とともに、捕獲に向けて走る彼。
すると。
なにを思ったか、珍しくスタートしたのと同じドアへと帰ってくるではないか。
手に持っているのは‥‥‥
手に持っているのは‥‥‥
海外旅行案内が、たくさん載ったチラシ‥‥‥‥。
「それ、必要か?」。乗客の視線が、彼に降り注ぐ。
照れをたたえた表情で
「ハワイ 5泊6日 42,000円~」の
売り文句が踊るチラシを凝視する彼。
必要、、、、だったんだろう‥‥‥。