孤高の戦士
もう十数年前の話ですが、寒い大晦日の日、ベランダのガラス戸でなにやら物音が・・・・
ガラス越しに覗くと、1ぴきのシルバーグレーの猫君が必死に戸を開けようとしています。
ロックはしていないのですが、猫くんの力では開けることなど不可能と放って置きました。
しばらくすると何故か冷たい風が・・・・・
なんとあの重たいガラス戸を猫くんが開けたようです。そして部屋の隅をみると何くわぬ顔で毛づくろいしてるで
はないですか!
その日から何が気に入ったのか彼女はうちにしょっちゅう出入りするように・・・・
シルバーグレーなので「グー」と名づけました。
ただ気まぐれな彼女は、2,3日おとなしくしていると思うと1週間ぐらい帰ってこなかったり・・・・
まるで安住の地などいらないよといった感じでした。
そんな彼女が僕が出張中に出産。全く毛色が違うベイビーが誕生しました。
男の子だったのですが、「ミー」と名付けました。
気まぐれな彼女もしばらくは子育てに専念。
ただ根っから野良の習性をもっているのか、家の餌を食べるだけではなく、子供には
蝉取りとか果ては雀まで捕まえる方法を教え込んでいました。
そして「ミー」が大きくなると、突然僕らの前から消えてしまいました。
それ以来、彼女の姿を見かけたことはありません。
ミー君は、母親似なのかベランダのガラス戸の小窓を開けておくと、どこかへ出かけては
傷だらけで帰ってきてました。彼の強さは半端じゃなく、うちに近づく野良くんたちはことごとく
退散させていました。思うに母猫グーから戦術を伝授されていたようです。
まるで勇敢な孤高の戦士という雰囲気を持った猫君でした。あれから十数年、そんな彼も
年老いてしまい今は外へ出ることもなくおとなしくしています。
彼が大好きな我が妻の腕の中で・・・・

