北京出張
海外出張はもっぱらヨーロッパ圏で、アジア圏への出張はたった一回きりでした。
北京にオープンした日本人デザイナーのブティック兼縫製工場の視察のために、某百貨店が企画した
仕入先向けの半ば強制的なツアー。
台湾、香港経由で北京へ向かうツアーだっのですが、何しろ天安門事件の前の年のこと。
台湾では他のツアー参加者とは、別行動もでき、比較的自由に動けたので、香港でも現地の知り合いと
会おうと思い、台北から連絡し、ホテルに朝迎えに来てもらうことに・・・
ところが香港から北京へのフライトは夕方の便なのに、何があるかわからないので午前10時には空港に
向かいますといわれ、結局知り合いにも会えず、空港へ。
当時の中国へのフライトは、勝手に中止になったり、時間が早まったりとが日常茶飯事だったとか・・・
結局、香港の空港で何時間も待ったうえ、定刻に出発。
乗った飛行機のキャビンアテンダントは笑顔一つなく、飲み物を頼むと缶入りコーラを簡易テーブルにドンと
音がするくらいたたきつけるように置かれました。
北京に着いたその夜は、人民大会堂で歓迎レセプション。翌日、目的の王府井(ワンフーチン)近くの
ブティックへ。途中、通訳のマーさんがこの辺の屋台のものは火を通してあるものでも絶対食べては
いけませんと厳しく注意。道端では平気で人が寝そべっているし、痰は吐く、鼻はかむ、食べカスはすてる
のを目の当たりにして、これが中国の現状か・・・・・
到着したブティックは日本でもよく知られたブランドショップ。ショーウインドウもきれいにディスプレイされ
当時の北京では画期的なお店だったと思います。
しばらくするとお店から、ブランドのジャケットを着た販売員と思われる女性たちが出てきて、何をするのか
と見ていると、ショーウインドウの前に座り込み、何かを食べ始めました。そして食べたカスを平気でショー
ウィンドウの前につぎつぎ捨てていくではありませんか・・・・
そのあと併設する縫製工場のスタッフと打ち合わせたが、気分も乗らず上の空。その上、トイレを借りたら
もう大変(これ以上は想像にお任せします)。
翌日、万里の長城ツアーには参加せず、北京駐在の大手商社の方と会って、ミーティングしようと朝一番、
ホテルから電話を入れるのですが、なかなか繋がらない。繋がって話をし始めるとブツっと切れる。
そんな繰り返しで、コンタクトが取れず、ならばみんなと万里の長城に行くべし。
前の晩、ホテルのバーで知り合った北京の方は八達嶺とおっしゃっていた万里の長城。
壮大な景観は素晴らしいの一言でした。でもここも遠くから眺めるものでした。城壁の左右はゴミだらけ。
近くのレストラン(食堂)のご飯は黄ばんでいてカチカチ。
あれから20年以上の歳月が流れました。今の中国の発展ぶりはこの時点では想像にも及びませんでした。
翌年の天安門事件を経て、経済自由化政策で一躍世界の中国へ、みごと変貌しましたね。
その後も何度か出張の要請はありましたが、最初のことがトラウマになり、結局全てお断りしました。



