一回目の面談を終えるとジジイは弟を連れ、A事業所の責任者と何か打ち合わせでもあるのか、また逃げるように帰って行った

 

私と妻は残り、担当者と少し話をした

社協に通帳を預ける以上はA事業所が勝手に解約する事がないようお願いしたのだ

担当者は「もちろんです。」と了承してくれた

そして、母が遺した保険金の帳簿を見せて墓についても話をした

墓地を契約しそれ相応の金額を払ったのできちんと領収書を貼って記入しているページを見せ、現在墓石を発注しておりそれは相場程度まででと考えているが当然墓地よりも高額になる事、出来上がり支払いを済ませるまでにはまだ時間が掛かるのでもしかしたら通帳を預けた後になるかもしれない事を伝えると「預かるまでの使用用途について口出しは一切出来ない事になっております。墓石の方は、こちらでお預かりした後でも出せますので。」と言われ、双方できちんと確認を取った

「大きな出費はこれだけなので後は全てお任せします。」と伝え、挨拶をしてその場を離れた

 

そして車に戻り、あそこでジジイがこう言ったとか、弟があんなバカな事をとか、Aの責任者の表情とか…それがネタの宝庫となり大爆笑となったのだ

今考えてみるとおかしな事だが、これまでの経緯からわかるように私達が何かを手に入れた訳ではない

一連の苦労から解放された事による余裕から出て来た笑いだった様に思う

 

本来この日、ジジイは来る必要がなかったのだが「お父さんをこちらへお呼びする事はできますか?」と、ジジイの同席を提案してくれたのは担当者の方だった

だから当初はこの場を法廷代わりに使おうとも考えていた

予め用意しておいたメモにこれまでの事をまとめ、要点をジジイとA事業所の責任者に突き付けるつもりでいた

 

不動産贈与について突然聞かされ大変驚いた事

先ず、娘が罪に問われるのではと心配になった事

二カ所の弁護士事務所へ相談に行きそこでの見解

司法書士事務所で相談し、そこで得た今後の対応

 

ジジイと弟から「金を返せ」と、まるで私達が弟の金を奪ったかのような言い方をされ、その事をジジイと弟が周囲に言いふらしている事

実家の家と土地を私達が奪おうとしているかのような言い方をしている事

これらは名誉棄損に当たるのではないか?

 

そして一番知りたかったのは不動産贈与に至るまでの事実であり、A事業所の責任者、ジジイ、弟、それぞれの発言を録音してあるという事
 

話の流れによってはそれらを突き付けるつもりでいたが、それは話が拗れたりした万が一の場合である

しかし、ジジイと弟のバカさが思い切り露呈した事で、もう笑うしかないという状況に至ったのだ

今後はもう考える事すらバカらしい

ようやく私も気持ちを切り替える事が出来たようだ

 

ここまでの事があった以上、今後ジジイに何かあっても、弟に何かあっても、私は一切関わらない

妻にも関わるな、葬式もするな、と話してある

万が一、私が先に死ぬような事があれば、ジジイと弟と娘の事は一切考えずに逃げろとも言ってある

 

二回目の面談を終えたら、その後は一切関わらない

そして審査を通り通帳を預けたら、ジジイと弟はいないものとする

 

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続く