弟の通帳を預けて管理してもらうサービスを利用するに当たり、社会福祉協議会の担当者による面談が行われた

この面談は一週間の期間を開けて再び同じ質問を弟にし、そこから県の審査に入るそうだ

結果が出るまでには一カ月半程かかるとの事

 

前回の最後に書いたのは、この時の面談で笑うしかない発言をジジイと弟がしたので、後から妻と爆笑したのだが…

それについて誤解のないように最初に書いておいた方が良いと言う妻の助言により、但し書きをしておく

 

ジジイと弟をバカにして笑ったのは、高齢者や障害者を笑ったのではない

あくまでもうちのジジイと弟がバカ過ぎて、怒りを通り越して笑えてきたのだ

ジジイはこれまで記述してきた通り、家族に酷い事ばかりして年を取り今の年齢になった

高齢になったから厄介になった訳ではなく、昔から厄介な悪人である

弟も同様、知的障害と言っても軽度であり、自分にとって都合良い事しか考えていない

しかし、高齢者の中には私が尊敬出来る人も大勢おられるし、障害者と言えば妻もそうだ

妻は昔の交通事故の後遺症により脳に障害を抱えていて体も弱い

だから私が障害者と呼ばれる人達をバカにするはずがない

知的障害者と結婚し子どもを設け育てた知人もいる

御両親の助けを受けながらではあったが立派な事だと思う

妻の知人には身体や脳の障害者で結婚し子育てをした人が複数いるそうだ

その方々は御両親や周囲の助けがあってこそだと感謝の念を常に持っておられると言う

そういった方々の事は心から尊敬する

逆に健康な体と精神を持ちながら怠けたり悪事を働いたりする奴等は屑だ

いや、精神に於いてはそういう奴等の方が”障害者”なのかもしれない

この事を踏まえた上で以下の文章を読んで頂ければと思う

 

 

弟が私を激怒させる件があったより少し前、一度社協へ連れて行き妻と三人で詳しい説明を受けている

その時、弟がA事業所の責任者を電話で呼び出して途中から同席したのだが、様子は明らかに変であった

 

そして正式な面談になるこの日の出席者は、私と妻、福祉サービスを受ける本人である弟、ジジイ、A事業所の責任者

先ず、社協の担当者が弟のお金の使い方について話をされた

 

弟の今のお金の使い方はとてもじゃないが生活保護になると生活が成り立たない状況である

実家に居て家賃はかからず、水光熱費はジジイが年金から出しているので、二カ月に一度支給される障害年金約14万円受け取っている弟は月にすると7万円、一日に換算すると2,300円も使っている

これでは普通に働いている人から見ても使い過ぎなので、これからは一日1,500円にしなければならない

生活スタイルを変えると言う事は我々でも難しいが、知的障害を抱えている人にとってはそれ以上に高いハードルとなる

だが否が応でもそれで生活していかなければならない

先ずはこの制度を利用しながら自宅でこの金額でしばらくやってみて、本当に出来そうであれば一人暮らしを始めれば良い

という内容だった

 

ここで慌てたジジイが口を挟んできた

出来るだけ早く出て行ってくれないと自分が困ると言うのだ

A事業所の責任者も弟が家を出る事を急がせたい様子で、その不自然さからやはりこの二人はグルだと感じた

 

母の死後、私と妻と弟の三人で二階の自室から追い出された弟が生活していた一階の台所を片付けて住みやすいようにした

母の遺した保険金で敷物、布団、炬燵等を買って弟の住環境を整えた

ジジイは綺麗になった台所から弟を追い出して、そこで自分が暮らそうとしているのだ

確かに普通に考えれば80を過ぎ足腰が弱った身体では二階で暮らすのは辛いのかもしれない

しかもゴミ屋敷状態だ

しかし、二階にはそもそも弟の自室があるので、そこを片付けて弟に返し、ジジイが一階で過ごせば良いだけの事だ

その事については前回、制度の説明を受ける時にジジイ不在の場で社協担当者とA事業所の責任者には話してある

ジジイがあまりにもグダグダと自分勝手な事を言うので、それを遮るように担当者は話を進めてくれた

私はジジイのバカさが露呈している姿を見て笑いを堪えた

 

担当者は「私達社協職員はA事業所とお兄さん御夫婦と連携していかなければいけません」と言った

だが、A事業所の責任者は私と目を合わせようとしない

これまでの事で私が怒っている事は弟が報告し、ジジイの身勝手な言い分を真に受けていたのもあるかもしれないが、後ろめたい事がなければきちんと目を向けて話せるはずだ

私がA事業所の責任者に面と向かって怒りを表した事は一度もないのだから

 

弟は「やってみないとわからない。どうなるかわからない。」

金が自分の自由にはならないという事くらいは説明の時に理解したようで、そんな言葉を吐いた

A事業所の責任者は「金銭管理が出来ないからお願いするんだから」と必死になって弟を宥めようとしている

これもまた不自然極まりなく映り、実に滑稽であった

 

そこで私は笑いを堪えながら初めて口を開き「途中で辞められる事は無い。責任者さんも言われているし、親父も言っている。」わざとではあるがそう言った

 

担当者の話は続く

この手続きには一月半位かかるので、その間のお金をどうするかと言う問いに関して、A事業所の責任者は「それはお兄さんへ…」

すると、すかさずジジイが「それはA事業所さんへお願いします。」

A事業所の責任者は「それはできないですよ。お金の管理はうちではできないんです。お金の管理はお兄さんかお父さんにしてもらって…」と、かなり焦った口調で言う

まるでA責任者の書いた台本には無い台詞をジジイが突然吐いたかの様であり、ここまで来るとジジイのあまりのバカさ加減に笑いを堪えるのに必死で仕方なかった

 

Aの責任者の”お兄さんか、お父さんに”と言う言葉には少し引っかかった

ジジイが信用できる人間なら、母はわざわざ保険金の受取人を弟になんかしていない

「それは年金を受け取ってる通帳をという事ですよね?」と釘を刺すと「そうですよ。」とAの責任者は仕方なさそうに答えた

その様子にも笑いを堪えた

 

ここからようやく形式である面談の質問事項に入り、社協担当者による弟への質問が始まった

 

Q.この制度は誰から聞いた?

A.○○さん(Aの責任者)

 

Q.お名前と住所を教えてください

名前は性格に言えるが住所は間違っている

 

Q.今の生活で困っている事は?

A.ない

 

無いのなら何故一人暮らしを望むのか?ここでも笑いを堪える

 

Q.生活していく上で満足できない事は?

A.満足じゃない

 

Q.御近所付き合いは?

A.昔からのお母さんの知り合いでおじさんとかおばさんとかがいる

 隣の人と、向かいの同級生もいる

 

ここでジジイが口を挟む

「向かいが○○と言う自転車屋でコレの同級生だ。」

その同級生が問題で、弟がバカなのを良い事に自転車を二台買わせたり食事に誘ったりあれこれ余計な事をしてくるのだ

弟は友達だと言うが、そんなのは友達ではない

 

Q.障害年金の口座からお金を出す頻度は?金額は?

A.わからない。一日に一万円出す。

 

Q.その一万円は何日で使う?

A.覚えてない しばらく行ってないけどわからない

 

Q.これからの生活に希望は?

A.まずは一人暮らし それだけ

 結婚もできればしたい 良い人がいればの話だが

 

ジジイは何も言わない

ここで私は腹の中で爆笑し、本当に笑いを堪えるのに必死になった

 

質問事項はもっとあったがここでは省く

 

先日の件でジジイと弟を捨てると決めてから、ここでの会話はバカバカしくて笑いを堪える事しかできなかった

それは妻も同様だったらしく、面談が終わり担当者へ挨拶を済ませて、車に乗った直後に思わず二人で大爆笑した

精神的に疲れ果て怒りを通り越して弟も捨てる決意をした後なので、二人共疲れ切っていての事だったかもしれない

 

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続く