30年近く前、私は前の結婚を機にジジイと共有名義で二世帯住宅を建築
支払いは半分ずつという事でローンを組んだ
しかしせっかく建てた二世帯住宅にジジイと母はほとんど住む事無く実家へ戻り弟と暮らすようになった
そして時々孫たちを実家へ連れ去るという奇妙な生活を始めた
ジジイは始めの数年程自分の支払い分を払い定年を迎えた
支払い残額は退職金を充てると約束していたにも関わらず退職金は受け取っていないと言い、再就職をする事もなく娘を溺愛する事に時間を費やすばかりで、残りの支払いを全て私に押し付けた
二人分支払うのは無理だと言うとジジイは私に自己破産を勧めてきた
ここでジジイは意味不明な行動を取る
何故か私が自己破産した場合は実家を取られると思い込み母と偽装離婚までしたのだ
当然の事ながら私は自己破産などしたくはなかったので、仕方なく支払期間を延ばす形を取って残りを自分の名義に変更し残業や休日出勤で稼ぎながら支払いを続けた
その間に前妻とは離婚
直接の原因は前妻の男性関係だったが夫婦関係の破綻についてはジジイが娘を離さないという事も原因の一つであった
そんな娘を前妻は我が子でありながらも嫌い、私に見えない所で虐待行為もあったようだ
息子二人は前妻に取られてしまった
別れる時、息子達には「いつでも戻って来い」と告げた
生活はかなり厳しかったが娘の「弟達が戻って来られるよう家は売らないで」という言葉が重くのしかかり多額のローンを払い続けることにした
しかし現実は息子達の養育費を支払いながら娘の学費もかかる
全額払うのは無理だ、ジジイも働け!と言うと度々大喧嘩になった
そしてジジイは再び自己破産をすれば良いと無責任な発言をした
ここで問題なのは本当はジジイが退職金を受け取っていた事が発覚した事だ
それを問いただすと実家もいずれはお前に譲るから今の家の支払いをしろと言う
退職金はいくらあったのか、何に使ったのか、何も言わずただ娘と過ごしているジジイには怒りの感情しかない
今となっては何度もジジイの言葉に騙され続けた私自身が、若気の至りでは済まされない程バカだった気がする
年月が経ち歳も50を過ぎ、ローンの支払いには益々限界を感じるようになった
当初の自分の支払い分だけなら払い終えるはずだった時期が来てもジジイの分が多く残っている
家を売りたいと思い始めていたが、平日は毎日ギリギリまで残業をし土曜日や祝日は休日出勤して収入を増やさなければローンの支払いが出来ない状態では不動産屋へ足を運ぶ事など出来るはずがなかった
節約の日々を続けていたそんな頃、水道を出しっぱなしにしているジジイを注意した
するとジジイは腹を立て突然娘を連れて母と弟が暮らす実家へ戻って行った
しかも近所の人へは「ばあさんの具合が悪いのであっちの家へ戻って看てやることにしました。」と挨拶までしていた
どこまでも私を怒らせるジジイ
それにくっついたままの娘も娘だ
「いつでも戻って来い」と言った息子達は戻らず、「弟達が帰って来るかもしれないから」と言った娘はジジイと出て行き、こんな状態でジジイの借金を払い続けるのはもう無理だ
それからしばらく広い家で一人暮らしをしていた私は、当時交際をしていた妻に「一緒に住んでくれないか」と話した
出逢った当初から家を売りたい考えは話してあったので、一緒に暮らし始めてから「この家を売る手伝いをして欲しい」と頼んだ
自信無さそうだったが、妻はインターネットを使い売り方や不動産会社を調べ、作業を始めてくれた
母の体調が悪くなっているのは事実なので、妻は実家の近くに借家を見つけそこに引っ越そうと言った
まだ籍を入れていない段階だったが妻は度々入院中の母へ会いに行き、二人はすっかり仲良くなっていたのだ
私はジジイの近くに住みたくはなかったが、不動産屋は家を空にしなければ売りにくいと言うし、妻がそこまで言うならと思い仮住まいとして今の住居への引っ越しを決めた
だが、実家の近所へ引っ越して1カ月も経たないうちに、ジジイは私に何の相談もなく母を高齢者施設へ入れた
「ばあさんは自分が看る」と言うのも嘘だった
糖尿病による軽度の認知症でまだまだ元気だった母
自宅での課題は食生活だけだった
そのくらいなら妻がサポートしてくれるはずだったのにも関わらず、何の相談も無しにだ
何の為に近所へ来たのかと憤ったが、幸いだったのはその施設が近かった事だ
妻は毎日のようにバスに乗って母に会いに行ってくれた
通院や悪天候で行けなかった日は電話をかけてくる母と長話の相手をしてくれた
そして数か月後、ようやく家の買い手が見つかった
しかし当初提案していた額ではなく、値下げを要求された
金額はちょうどジジイの借金の残額と同じ位だ
何家族か内見には来てくれたがなかなか決まらなかったので仕方なくその金額で手を打つことにした
ゴミの処分費、引っ越し費用、数か月間のローンと家賃のダブル払いで約300万の赤字になった
それでも家が売れて良かった
年末には籍を入れる事も決めた
アラフィフ婚活で出逢った再婚同士
穏やかな暮らしが始まると思った矢先、ジジイがまたとんでもない事を言い始めた
「長男が家を勝手に売ってその金を全部取りやがった」
私や妻に直接言うのではなく、周囲の人間にそう言いふらして歩いたのだ
私に言えば怒ることがわかっていたのだろう
ジジイは妻にそれとなく訊いて来たそうだ
妻はジジイの扱いにも慣れていたので
「前におかあさんの所でちゃんと説明したよね?値下げさせられて赤字になったのよ。書類全部取ってあるから見る?」
そう言うとジジイは「わしはそんなものは見てもわからん。」と逃げ帰ったそうだ
自分の借金を息子に押し付けた事実があるのになぜそのような事を言えるのか
こんなジジイが父親なのかと思うと自分の血が汚らわしく思えて本当に情けない
あれこれと嫌な事ばかりを思い出しながら一件目の弁護士相談で手応えを得られずにいた私は、夜もあまり眠れずジジイへの怒りで半ば狂いそうになっていた
少し眠れても朝はアラームが鳴るよりもずっと早く目が覚める
怒りのあまりペンを手に自分の思いや考えを書きまくった
事故の後遺症で長年通院している妻は睡眠薬を服用しているので朝までぐっすり眠っている
アラームで目が覚めるとテーブルの上に散らかっている私の殴り書きのメモ用紙を見て驚く
そんな日々が続く中、信頼できる知人が「この人物は保証するから」と知り合いの弁護士を紹介してくれた
前回の弁護士相談の後で弟に確認した事
社会福祉協議会へ行き、一件目の弁護士相談内容とその見解を伝え相談した事
認めたくはなかった娘の事等を付け加える形で相談文を用意した
ーーーーーーーーーー
次回は二件目の弁護士相談について書きます