先日、お世話になっている萩のお客様と一緒に、青森市油川にある西田酒造店にお邪魔しました。
西田社長に蔵を案内していただきました。
杉玉はまだ青々としていました。凛と静まりかえった、神聖な空間のようです。
蔵の内部は、整理整頓が行き届き、非常に清潔です。
蔵の方々はお会いすると明るく挨拶してくださいました。
巨大な精米機
入口は木造の和風建築ですが、奥の方は、改築され、近代的な設備も設置されています。精米機のある空間は、天井が高く、近代的な精米機がそびえ立っています。
米ぬかも選別できるようになっています。このような箱が無い精米器の場合、時間差で米糠を選別します。
こちらの蔵では、精米歩合50%以上の米は自社で精米し、発生した米ぬかは外側から中、白、上の3種類に分け、飼料などに使用されるそうで、無駄にはなっていません。
甑、放冷機
甑は特注品とのことで、非常に大きいサイズです。米を蒸す時に、品質が均一になるようにするため薄く広げる必要があるので大きな甑が必要とのことです。
甑を使って米を蒸した後、右側の放冷機に米入れて風を送り冷却します。
製麹室
酒をアルコール発酵させる上で欠かせない、麹を製造する部屋です。手洗い、アルコール消毒で入室させていただきました。僕がこれまでお邪魔した蔵の製麹室はすべて、杉の無垢材の内装になっていました。日本酒と杉には深い関係があるようです。
最近は、ステンレス製の製麹室を持つ蔵もあるそうですが、ステンレスの場合、壁の結露が心配なので湿度の調節機能もある、杉の方がいいとおのことでした。
蒸した米に麹菌が繁殖すると、栗のような独特の風味がでます。こちらはまだ、麹菌が付いたばかりなので、風味はまだおとなしい感じです。
隣のスペース
左側のスペースでは純米大吟醸用の麹を作る作業をしていました。まだ米を敷いたところだそうで、これから麹菌を加えます。
製麹室の扉のすぐ、これらの部屋の手前には麹を乾燥させるスペースがあります。
酒母室(の手前)
蔵には酒母を仕込む部屋が1つしかないため、山廃の仕込みを行うこの時期はこれらの速醸酒母のもと酛桶(仕込みタンク)は酒母室を追い出されてしまうそうです。
山廃(山卸廃止酛)の酒母は、麹、水、蒸した米をもと桶に入れ、乳酸菌発酵し、糊状にどろどろになるまで発酵させてから、酵母を加えます。酒母が完成するまで、4週間ほどかかるそうです。
山廃は速醸に比べ、仕込みに手間と時間がかかります。フルーティな独特の風味のある酒が製造できます。
添桶(添タンク)に、蒸した米(掛米)、麹、仕込み水、酒母を混ぜ、もろみを仕込みます。アルコール発酵が進むと、徐々に米は溶け、香りも増してお酒に近づいていきます。
こちらの蔵では、毎日添タンク1つずつもろみを仕込んでいくそうです。添桶の回りには床があり、作業がしやすくなっています。床の下はこのようになっています。
使う酵母によっても、添桶(添タンク)の中の様子が異なります。
小さな泡がふつふつ沸き、何ともいえないいい香りが漂っています。アルコール発酵も終盤です。
アルコール発酵が終了すると、上槽(しぼり)という工程に入ります。添桶のもろみをフィルターにかけ、酒と粕を分けていきます。こちらは藪田式圧搾機。板粕と酒に分けることができる装置で、もろみが空気に触れる部分が少なく、炭酸ガスが少し残る、きれのあるお酒を上槽することが可能です。
藪田式の槽口から、搾りたての生原酒を試飲させていただきました。通常の田酒特別純米は絞り初めのあらばしりはタンクに戻し、中取りだけを商品として出荷するとのこととでしたが、この時は、絞り始めのあらばしりのお酒です。おりがらみの田酒特別純米。フルーティーさと、原酒ならではのフレッシュ感がたまりません。少しガスも感じます。
隣に槽(ふね)といわれる佐瀬式圧搾機ありました。
西田酒造店は、入口部分は明治11年創業時の木造ですが、内部には大型の甑や最新の精米機があり、高い品質を持つ、ブランド化された田酒の製造の影には様々な努力があると感じられました。
蔵の近くの特約店でフラワースノー2種類をお土産に購入していただきました。
飲み比べについては、次回の記事で。
蔵の様子は名智 健二さんが撮影した写真集
でご覧いただくことができます。
株式会社 西田酒造店
青森市大字油川字大浜
(参考)







