「終わりよければすべてよし」
という諺がありますが、
ものごとの「終わり方」というのは
けっこう重要なようです。

 

ノーベル経済学賞の受賞者である
ダニエル・カーネマン教授が発表した理論に
「ピーク・エンドの法則」というものがあります。



人間は、過去の記憶を
「ピーク(最良または最悪)」と「エンド(どのような終わり方をしたか)」
によって判断しているというものです。


 

たとえば、
恋人と旅行に行ったとして、
「旅行の中の最良の思い出(または最悪の思い出)」と
「旅行がどのように終わったか」の二つによって
過去の記憶の印象が決まってしまうのです。

 


その他の情報は、
脳内から消えているわけではないにしても、
全体の印象の決定・判断には「使われない」のだそうです。


 


ですから、
人に良い印象を残したいなら、
第一印象を良くするように工夫することも大切ですが、
最後に気を配ることも大切です。



パーティなどで、
気になる異性と全然話せなくても
最後の別れ際に好印象を残すように工夫することで
後の人間関係が変わってくる可能性も
高いということです。



ビジネスのプレゼンにおいても、
中身を素晴らしいものにすることは当たり前ですが、
ピーク(プレゼンの山、盛り上がり)のところと
最後に特に注意することで、
同じ内容でも、
相手の記憶に残すインパクトが変わります。


 


 

それにしても…
人間の記憶というものは、
いかに曖昧であてにならないものか、
このピーク・エンドの法則からも分かりますね。

 


記憶というのは、
頼りにしてはいけないもののひとつかもしれません。