以前、営業社員として働いていたとき
素晴らしいと思った管理職の人がいました。
新人社員の指導の際、
なかなか成績がふるわない社員や、
萎縮して積極性が無い社員には、
「今日は〇件断られてこい」
と言うのです。
「〇件契約を取れ」と言われると
取れなかったときのことを考えて恐怖し、
行動できなくなります。
「失敗してもいいんだぞ」
という言葉を添える上司の方もいますが、
「失敗」という言葉が入っている時点で
ネガティブ思考の部下だと
どうしても失敗のイメージが付きまとい、
逆に萎縮してしまいます。
このように、
「今日は〇件断られてこい」という指示を出すと
それまで消極的で暗い顔をしていた人たちが
水を得た魚のように動き出すのです。
それで、一日の業務の合間に、
「ちゃんと20件断られたか?」
と確認します。
「いえ、まだ12件しか断られてません」
という社員には、
「じゃあ、あと8件だね」
と言います。
そうして一日の終わりの報告を聞いてみると、
「20件断られて、アポイントが5件」
という結果になっているのだそうです。
人生って実際は最初からうまくいくことのほうが珍しい。
自転車を最初から乗りこなせる子どもっているでしょうか?
いませんよね。
営業も、新入社員が最初から一回も断られることなく
バンバン契約が取れたりすることなど
無いのです。
何度も断られていくうちに、
コツを掴めるようになってくる、
そういうものです。
管理職の立場にある方は、
新人の指導の際や、
失敗を恐れて行動しないような部下がいた際には、
このようなアプローチで指導してみると
いいかもしれません。
「今日は〇人のお客さんにこの商品を紹介してください」
という言い方でもいいでしょう。
とにかく、行動できるような目標を立てる。
行動がなければ何も始まりません。
最初は結果よりも、
まずは「行動した」というプロセスが大事だということを、
理解させてあげるのは
指導者の立派な役目だと私は思います。