先日、とある会社の管理職の方から、
こんな相談を受けました。


「部下が思ったようにやる気を出してくれない」


その方は「ほめて育てる」ことをモットーに
部下の育成にあたっています。


「自分もほめられたほうが仕事にやる気が出た」
という自身の経験からです。


おかげで部内の雰囲気は、他と比べてとても良く、
いきいきと働く人たちが多いらしいのですが
中には、ほめても思ったような成果が出ない部下がいるのが
悩みということでした。


話をよく聞いてみると
その方のほめ方には、少し足りないものがありました。

それは「客観的な事実に基づく」フィードバックです。


人間は誰でも、ほめられたら嬉しいものです。
ですが、「何によって(何をしたことによって)ほめているのか」
をきっちり伝えないと、逆に不信感を与えてしまう場合もあります。


ヒトを本当にやる気にさせ、成果を出してもらうには
「いつもがんばってるね、ありがとう!」
「よくやった!」
などの言葉にプラスして、
ほめる理由となる根拠も、提示してあげると
より効果的です。


--◆効果的なほめ方◆--------------------------------------------

(例①)


「○○君がこの提出してくれたレポートは、とても読みやすかった。

数値化されていて理論的だし、何が問題点なのかはっきり分かる内容だね。

さっそく部のみんなにコピーして配ろう。ありがとう」


(例②)


「△△さんはいつも笑顔で応対しているね。

君がいると社内がいつも明るいよ。

お客様の◎◎さんも、君のように気持ちいい笑顔で対応してくれると

何でも気軽に相談しやすい、と言ってたよ。

これからもその笑顔でがんばるんだよ」

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このように、ほめる根拠となる「事実」を述べ、
それが周りにどういう影響を与えたか、を具体的に伝えるのが
本当に効果のあるほめ方です。


子育てにしても同じことが言えます。

「○○ちゃんかしこいね」「えらいね」

だけではなく


「○○ちゃん、
さっきお友達に、欲しいオモチャをゆずってあげたよね。
なんて思いやりのある優しい子なんだろうって
お母さん感動したわ」


「今回のテストは、
前に宿題で出て間違えてたところがバッチリ正解してるね。
すごいじゃない。同じ間違いを繰り返さない、
△△くんは学習能力が高いんだわ」


と、なぜほめるのか、
根拠を述べるようにするといいでしょう。


なぜほめられたのかが分かると、
次も正しい行動をとろうとしますね。

そうして成功の行動規範が知らず知らずに身に付いてゆくのです。


効果的なほめ方を実践するには、ほめる側の観察力が無いとできません。

「とりあえず」ほめるのではなく
部下や子供をじっくり観察してみましょう。


すばらしいと思う行動、
長所をたくさん見つけましょう。


きっと成果が出ます。