私の母は新興宗教をやっていました。私はその新興宗教の教えは1ミリも信じていませんでしたが(子供心にも〇〇したらどんな願いも叶えられるなんてあるわけないじゃんと思っていた)、その他にも信じられない理由はありましたが長くなるのでまた今度にして、その宗教では月に一度、小学生が集まる会がありました。名前は忘れました。
小学生担当の人がいて、教えの基本的な事を教えてくれたり、その会の歌を習ったりするものでした。そこは仏教系の新興宗教だったので、ある時、仏教用語で四苦八苦の話でしょうか、人間の苦しみはどこから来るのかというお話の中で「求不得苦(ぐふとくく)」という言葉が出てきました。求めても得られない苦しみ、だそうです。なるほど人間には煩悩からくる欲望が際限なくあるけれども(煩悩は必ずしも悪いものではないけれども)、欲しくても得られない時に苦しみを感じる。
当たり前の話です。悲しみや怒りは突き詰めれば全て欲望が満たされないことに起因します。それで、その時小学生だった私は何を思ったのかというと、「そうか、求めても得られないから苦しいんだ。だったら求めなければいいんだ。そうすれば得られない苦しみもなくなる」
そう思って、その時から親に深い愛情を求めるのはやめようと思ったのでした。他人に期待するのも。やめようと思ったからと言って簡単にやめられるわけではないで、その後も親と喧嘩したり軋轢があったりはしたのですが、人間関係においては、親に対してだけではなく常に心のどこかに「求めても得られないと苦しいだけだから求めずにおこう」というような諦めにも似た感情が私にはありますね…