娘と、あの時の事を話していました。
辞めたいって思ってたのに言えなかったのはなぜ?と聞いたら、意外な言葉が返ってきました。
「勇気がなかったから」
一つには、そうした時に周りの反応がどうなるか怖い、それに対する勇気だそうです。
そう言えば、何かにつけて「先生に言いたくない」「みんなに知られたくない」と言う子でした。
自意識過剰っていうやつでしょうか。他人は自分のことなんて自分が思うよりずっと気にしてないよ、気にしたとしても一瞬のことだよ、他人の立場になってごらんあなたみたいな子を見てどう思う?「ふーんそうなのって思うだけ」。そうでしょ、みんな自分の事で精一杯なの、気にしてもしょうがない。
何度こういう会話をしたでしょうか。
理由があるとはいえ学校に行きたくないなんて言ったら悲しむだろう、心配させたくない、いい子だと思われたい、辛いのに否定されたらどうしよう。周りの目も気になる。学校を辞めた人として蔑視されるんだろうな…そんな感情が渦巻いていたようです。
私の感覚としてはもっと先の事を心配して迷っていたから、と思っていたのですが(もちろんそれもあったでしょうが)、それよりも「今、言うのが嫌」という目の前の困難を避けたいという感情が大きかったのかなと思います。まだ若く多感で、大人の階段を登っている途中です。
自分の口で転学の意思を学校の先生に告げた娘の姿は、一世一代の勇気を振り絞った姿でした。今思い出すと少し笑ってしまいますが。
頂上まで登るルートが理想でしたが、自分の限界を知って勇気を出して下山して、別のルートから行くことを決めた娘でした。