「自分で言わなきゃ先に進まない」娘は意を決して学校へ行きました。
娘には外面がありますね。応接室で担任と学年主任に対峙した娘は、私に見せるウジウジ極まりない様子など微塵も見せず、「学校をやめたいです」「大学へ行きたいです」「自分で勉強していきます」等々、きっぱりと告げたのでした。
先生方はとても優しく、こんな先生たちから離れるのかとそれが、私は寂しくて辛くなりました。「これからこんな先生方の支えもなくしてしまうんだよ?大丈夫?」という言葉を私は飲み込みました。でも、実際のところ学校の対応にも限度があって、娘の抱える問題は学校として は配慮はできるけど解消はできないという内容で、こちらもそこまでは求めないので今回の決断になりました。
こういう話をする時って、もっと雰囲気が固いものだと思っていましたが、全然そんなことないんですね。穏やかに、普通の懇談のときのように、時間は過ぎて行きました。
「そうか、今日は話じゃなくて、報告だったんだね」
学年主任の先生はそう言われて、了承していただき、もってきた出願書類等を学校にお願いして懇談は30分ほどで終わりました。
娘のこの制服姿をみるのも今日で見納めかあ、きれいなたくさんの教科書ももう使わないのかあと思うと涙が出てくるのですが、娘は、もうあの高校の制服着なくていいかと思うとせいせいする!といった感じで、一切、感傷がないので逆に救われます。
それでも帰りは、二人で泣きました。私の涙は、今までよく頑張ったね、言えたね、先生方すみません、これから大丈夫かな…という色々な感情が混ざった複雑なものでしたが、娘の涙は何の涙だったのかはわかりません。ホッとした涙かな。
「自分で大きな決断をできたということが、あなたの人生においては糧になるのではないか」先生はそんな言葉もくださいました。