久しぶりに大画面でトニー・レオンを観られるので、大阪泉南のイオンシネマまで遠征してみた。
年を重ねても、今のところ、すごく老けたとか、変貌にがっかりするようなことがなかった。
私服でものを食べているときのレオンの映像を見たことがあって、自然体な時のトニーって、全く飾らずその年なりの普通のおじさんなんだけれど、ひとたび画面に現れて演技をすると、ビシッと決まるのは素晴らしいです。
お話は、第二次世界大戦下の時間軸が入れ替わる面倒くさい撮り方をしたスパイの暗躍の物語なんだけれど、最初からしばらくの間、静かに進んでいく中でまた少し眠くなり始めた…最近刺激の少ない映画を見るとすぐ眠くなる。
トニー・レオン演じるフーと若手のワン・イーボー演じるイエは、中国共産党メンバーに敵対し探っていくというスパイの立場で、日本軍とも懇意にしているのだが…
中国映画がそんなわけないやろというわけで、最後には、中国のプロパガンダ映画と化していくのである。
それにしても、日本人の信頼を得るために、一番の見せ場となるフーとイエのアクション対決が用意されているが、いつもオモロイ一言感想を述べる妹が、『それにしても、あそこまで(死ぬほどの危険のある)叩きのめし合う対決をするのか?』と聞いてきた。
日本人渡辺役の森博之の最後のあの重大な機密を知るための信頼を得るために必要なことだったというしかないが、もしかしたら、階段から投げ落としたりしたら本当に死ぬことだってあるのにね…どの程度の怪我になるかまでわかってやってるというのか…
まあ、そこは映画的面白さの追求のためのシーンではあるから仕方ないが、トニー・レオンやワン・イーボーはもう純粋に昔の香港映画の名作のような作品で演技することはできないのね?
イーボーは、ものすごく姿よしで顔も良いし(入場の時に彼の写真をもらった)、ロマンティックな作品も撮れるのに、彼らがそういう作品に出ていたとしても、日本で公開されるのは、こんな中国のプロパガンダ作品だけなのか⁈
名前も中国名付きトニー・レオン・チュー・ワイで、ただのトニー・レオンではなかったし。
やはり若干の落胆は感じてしまった。
どの国の作品にも幾らかの政治的配慮やあえての主張が入ってるものかもしれないけれど、トニーに関しては、「花様年華」のトニーとは、やはり別物なんだなぁと悲しくなった。
❤︎