大作2作観たのに感想が書けていません。

毎日色々あって、ブログに没入できない状態です。


2020年にはクリストファー・ノーラン監督の「TENET」と「DUNE」を比べて、圧倒的に、「DUNE」が気に入ったんだけれど、本年、間を開けずに観た2作では、「オッペンハイマー」の方が見応えがありました。



タイプの違う作品なので比較するのはおかしいんだけれど…


もう、巷でたくさんのレヴューが出ているので、

ちょっとだけ感想。


どちらにも出ていたフローレンス・ピューは、私的には「DUNE 2」の方が好みでした。

「オッペンハイマー」では、彼のプライベートな部分の肉付けに必要だったのかもしれないけれど、効果的に特に大したものはなかったような気がします。彼女は「リトル・ドラマー・ガール」が素晴らしすぎたので、その後の作品は少し印象が薄いです。

彼との恋愛が原因で死に至ったのか、精神的に元々危うい女性に惹かれたのか、どちらにしろ、オッペンハイマーは、学問一辺倒で性的な好奇心のない人ではなかったということですね。

それを人間らしいとの意味で付け足したかったのか、そういう逃げ場が必要なほどのストレスを抱えていたということを知らしめたかったのかよくわからないですが。

人間関係論を始めてしまうと、妻との関係にも話が及んで長くなるのでやめておきます。

妻役のエミリー・ブラント、強かったです。


「オッペンハイマー」を観る前に、アカデミー賞授賞式の助演男優賞受賞の際のアジア人差別が取り沙汰された、とんでもなく横柄な感じのイヤなやつというイメージに影響を受けたのですが、アイアンマン以前の演技派だった頃のロバート・ダウニー・Jrが好きだったので、かなり強い精神的打撃を持って、ネガティブな気持ちで鑑賞に臨みました。

やはり演技は上手いと認めざるを得ないです。


「オッペンハイマー」の方が事実を元に作られた作品なので、最初の方は、量子力学について何もわからないので、置いてきぼりをくったような気持ちで見ていましたが、尻上がりに最後に向けて、のめり込んでいけました。

人間の相関関係図が、わりと得意分野なので、この作品の、時間軸とか人間関係とかがあまり苦にならず観られたので良かったです。


オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーの演技とか体重をコントロールしての見え方まで変えたところなどもすごかったのかもしれないのですが、あまりにも出ずっぱりなので、特にキリアン・マーフィーファンでもない私は、演技的にはあまり感銘を受けなかったんです。

でも、最初の方でりんごに毒を注射して、ケネス・ブラナーでない方の、最初の教授を殺そうと試みるくらい、彼は精神的にかなり問題ある人だったのでしょうね。心理学とか精神医学的にも興味深い人だったんですね。


ちょっと、といいながら長くなってきましたが、オッペンハイマーのことばかり書いてますよね。

それだけ「DUNE 2」より、史実として日本人に関係があり、私は個人的にも何人かの登場人物像にも興味が湧きました。


DUNE2の方は、映像とか音響とかが良かったと、全体的な印象の方が強いです。

もちろんシャラメくんの成長して増した存在の重量感も特筆したいです。


共演者は、せっかくのオースティン・バトラーも後になると、別に彼でなくても、あのような外見を与えれば他の人でも良かったんじゃないかと思うし、エンペラーのクリストファー・ウォーケンのカリスマ性のなさは、ああいう風に演じるべき役柄だったのだろうと理解するしかないし、敵役が役不足なような気がしました。

むしろ女性陣の方がレア・セドゥ(最近苦手度が増しているのだけれど)もレベッカ・ファーガソンも一癖あって注目できたし、ゼンデイヤも求心力あったように感じました。


「オッペンハイマー」は豪華な出演陣が少しの出番でもインパクトがあって、ノーラン監督の人選や演出が素晴らしいのか、演技派俳優たちの相乗効果があったのか、舌を捲っていう表現になってしまいます。


そして、長々書いたけど、個人的に一番言いたかったのは、贔屓の引き倒しと言われるでしょうが、あんな少しの出演シーンなのに、その存在感にハートを鷲掴みにされたデイン・デハーンも使っているところが、ノーラン監督、すごいじゃないですか⁈

すみません、ほぼそれだけ言いたかったので、書いた記事です。


せっかくなので、あんなバカっぽいトルーマン大統領を演じたゲイリー・オールドマンにもよくあの役を受けましたねと、拍手を送っておきましょう。


広島への原爆投下が無音でしたが、アメリカ人たちの熱狂的な喜び方を見たら、ため息しか出ませんでした。


この作品のアメリカ人の感想はまだ一つも読んでいませんが、探してみたいと思います。

どんな風に受け取っているのか知りたいです。


長さは全く感じませんでしたが、翌日若干疲れていましたので、劇場での再鑑賞はありません。

WOWOWに来たら絶対にもう一度観たい「オッペンハイマー」でした。


❤︎