0707 村上春樹「飛行機」彼女はコーヒー・スプーンをいじりつづけた。それからふと壁にかかった時計に目をやった。(中略)それから言った。「人の心というのは深い井戸みたいなものじゃないかって思うの。何が底にあるのかは誰にもわからない。ときどきそこから浮かびあがってくるものの形から想像するしかないのよ」(村上春樹「飛行機」新潮社)