0115 松浦寿輝「パリ十五区」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

文学つぶやきアーカイブスPART2

その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

近頃卒然と気づいたことの一つに、わたしの見る夢は結局「困っている」夢ばかりだということがある。(中略)電車やバスを乗り継いで帰宅しようとしていて、どうしても家に帰り着くことができずにいる夢。廊下や階段をさまよいながら、いつまで経っても行き着けずにいる夢、等々。(松浦寿輝「パリ十五区」新潮社)