0711 向田邦子「味醂干し」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

文学つぶやきアーカイブスPART2

その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

街にとうふ屋のラッパの聞える夕暮れ時、実は今どき東京の青山でとうふ屋のラッパは滅多に聞こえない。しかし、私のイメージの夕暮れには、とうふ屋のラッパが鳴るのである。買物かごを抱えてごった返す小さい魚屋や漬け物屋で味醂干しを買う。(向田邦子「味醂干し」講談社文庫)