0109 海野弘「マドレーヌ菓子に甦る失われた時」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

文学つぶやきアーカイブスPART2

その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

プルーストにとっておいしいものはなにか(中略)。それは美味感ではなく、過去の記憶でありなつかしい思い出なのだ。それはマドレーヌの中に封じられている失われた時がやわらかく溶けて甘美に流れだし、愛する人達との永遠の時が波のように押し寄せてくることなのだ。(海野弘「マドレーヌ菓子に甦る失われた時」平凡社)