1021 吉田健一「早く年取ることができればと」 | 文学つぶやきアーカイブスPART2

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その日手に取った本の、印象に残った文章を書き留めています

或る日河上徹太郎氏がビアホオルというものが好きな理由に四十になってしたいことを皆してしまった人間が所在なさにそこに来て飲んでいる感じがするからと言うのを聞いたのは天国でも極楽でもを望見する思いだった。まだ二人とも四十から遠い年だったのである。(吉田健一「早く年取ることができればと」講談社文芸文庫)