メッセージ『娘へ』 | ワンライフプロジェクトのブログ

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平成18年(2006年)に 福岡県筑後市で 『ワンライフプロジェクト』 という活動を立ち上げました。
『たったひとつの命だから』この一行の言葉にあなたは何とつなげますか?
 

娘へ

 

あなたと会えなくなって10年が経ちました。

あっという間の10年でした。

いや、目をつむっていた10年間はやはり長かったかもしれません。

 

最愛の娘を失うということは、生き甲斐を失うことでした。

みんな無くなりました。

この世界が灰色になりました。

あんなに好きだった海も、桜も、キャンプも、なんの魅力も感じられなくなりました。

 

あなたと同じ年頃の娘さんを見ると

あなたが帰ってきたのではないかと、あなたの顔と重ねて目で追ってしまいます。

でも、あなたではありませんでした。

 

そうですね、あなたは遠い世界へ逝ってしまったのですから。

空の上から

「お父さん、いい加減に先に進みなよ」と、笑われているかもしれないですね。

 

今年も、あなたが空へ旅立った季節がやってきます。

寒い寒い朝でしたね。

何年も病気と戦って、最期は笑って「お父さん、お母さん、ごめんね」と言い残して。

 

お父さんの方がゴメンなんだよ。

大事な娘を死なせてしまって、今でも、ゴメンなんだよ。

 

無性にあなたに会いたくなるんだよ。

「お父さん」って呼ばれたくなるんだよ。

諦めきれないんだよ、あなたのこと。

 

親なんだから、こんな風にあなたの事を想っている父さんを許してくれよ。

 

明日は、あなたの命日。

11年目の冬が始まる。

 

タバコはやめたぞ。狸みたいな体型になってしまったよ。

相変わらず、母さんとは仲良しだから心配はするな。

 

いつかあなたの傍にいく。

その時に、「よく頑張ったね」と、褒めてもらいたいから、弱音は吐かないと決めている。

 

あなたのいない年を、また一年穏やかに過ごすから、応援していてくれな。

 

父さんと母さんが、一番大切に思っているたったひとつの命は

間違いなく今も、あすか、君だから。

 

たったひとつの命だから

大事な娘を想って今日という日を生きます。

 

愛知県、50代男性