『56年共に生きてくれてありがとう』
『苦労ばかりかけてすまなかった』
『いい人生をありがとう』
父の言葉で母を送り出して丸3年。
早いものです。
父の横で、永い眠りについて
一生を全うした母。
あなたの人生に、何かひとつでも後悔がありますか?
やり残した事はありますか?
母の遺影に尋ねてみる。
母はにっこり笑う。
ふっくらしたほっぺで
更にふっくらと。
『あなた達が育ってくれて
何の心配もしなくてよくなったから
あっちから応援する為に
母さんは逝くんだからね』
母の葬儀が終わって、枕元に立った母が言ったセリフ。
そうなんだろうな
魂の世界に還るという事は
きっとそういう事なんだろうな。
使命を果たしたから
次の出会いのストーリーを楽しみに
人は還り
また出会うようになっているんだろうな。
人は、小さい生き物
粋がって生きるものではなく
苦しみを喜びに変える事が出来たら
どんどん心のヒダが増えて
心あったかい人生を
航海出来るもの
そんな話を、よく聞かされた。
沢山の人に囲まれて、あなたは幸せたい!
と、よく言ってくれていた。
一昨日、母を偲ぶ会を、父と姉家族とで行った。
母の思い出話が次々と出てくる。
父が笑って、笑って、笑って
そして、涙した・・・
母がいなくなって
踏ん張って
毎日、母の夢を見て生きている父。
母が、笑顔で生きれたのは、
間違いなくお父さんが一緒にいたからだよ
父さん
もう少し私達と生きてください。
母さんの側に行きたいって思っているのは分かってる。
でも、50を過ぎた娘・息子からのお願いです。
年を取って生きるという事は
どういう事なのか教えてください。
来年、90歳を元気に迎えてください。
90でも、こんなにやる事があるんだぞ〜って
私や息子達に教えてください。
父さんの涙はこたえます。
でも、父さんの涙を忘れない。
泣くって素敵な事だから。
父さんの『たったひとつの命』が
私達を生んでくれた事に
心から感謝です。