高校卒業して半年後に、女の子を出産しました。
結婚を親に反対されましたが、彼のアパートで二人で赤ちゃんを育てる、ちゃんと育てる‼と心に決めて家を出ました。
出産して、赤ちゃんを抱いた時に初めて知りました。
赤ちゃんって生き物なのだと。
ほとんど眠っているか、泣いているか。
その赤ちゃんを見て
母親になるって、こんなに幸せな気持ちになることなんだ~と、嬉しく思いました。
しかし、そんな悠長な事は言ってはおれませんでした。
現実は、私が描いていた世界とあまりにも違っていました。
赤ちゃんが、何故泣くのか、何を訴えているのかわからない……
何をすればいいのかも、わからない……。
焦って、両親に助けて‼と頼みました。
産婦人科を退院して実家で育児のスタートです。
両親は、娘の誕生を心から喜んでくれました。
その笑顔を見て、すごく安心した気持ちになりました。
これからが本格的な私の奮闘期です。
おっぱいを飲んでくれるようになったのに、私は乳腺炎をおこし、痛くて泣きました。
父にお風呂に入れてもらって、風邪をひかせないようにとタオルで拭いて服を着せて。
このことすら、スムーズにいかなくてオロオロしました。
お布団に寝かせると泣き出す娘。
抱っこしたまま一緒に眠るのですが、十分な睡眠がとれず、目の下にくまができました。
おっぱいを飲ませる、おしめを換える、お風呂に入れる、お布団に寝かせる、
ただこれだけの事なのに
クタクタになりました。
半月程で私は自信喪失。
最初から不安はありましたが、ここまで大変だとは思っていませんでした。
2ヶ月後にアパートに戻りました。
両親の手助けが、なくなりました。
主人と必死に娘の世話をしました。
とにかく夜泣きがひどくて一晩中抱っこしたまま眠りました。
私なんかが、子供を産んだりしちゃいけなかったんだと後悔しました。
何も出来ないくせに、親になってしまって。
疲れた顔で実家に行った日の夜、
父が、
『手助けするから一人で無理するな。
もう、親になったんだから。
父さん達もお前達を育てるのに、余裕なんてなかった。
お前の気持ちは分かるから』
そう言って娘を抱き上げ、そのまま散歩に出掛けました。
短い時間でしたが、私は深い深い眠りにつくことが出来ました。
私、バカでした。
簡単に考えていました。
育児は大変な事だなんて、全然思っていなかったので。
私は、素敵な家族に囲まれています。
両親が、勝手に家を出ていった私を受け入れてくれなかったら……
両親に助けてって言えずにいたら……
そう思うと、ぞっとします。
人と人って、ほんのちょっとしたことで、繋がることが出来たり、離れたりするものかもしれないですね。
19才で母親になりました。
世間の事を何も知らないままに。
後悔もしました。
反省もしました。
けれど、今の私が思うこと…
人は温かいです。
助けてと言えば、いいだけのことです。
わからないのなら、教えてくださいとお願いすればいいだけです。
あの日、一人で無理するなって、父にそう言われてハッとしました。
人は一人では生きていけないものですね。
優しい春がやってきますね。
今年も 黙っていても、チューリップが芽を出してくれるでしょう。
春ですよって大自然が教えてくれますね。
たったひとつの命だから
たくさんの人の手助けの中で
生きていきます