メッセージ・養子 | ワンライフプロジェクトのブログ

ワンライフプロジェクトのブログ

平成18年(2006年)に 福岡県筑後市で 『ワンライフプロジェクト』 という活動を立ち上げました。
『たったひとつの命だから』この一行の言葉にあなたは何とつなげますか?
 

ワンライフプロジェクトさま

僕は、今、家族という形態って何て素晴らしいのだろうと感謝の中にいます。

僕の本当の両親は、どこの誰なのか知りません。

僕を育ててくれた両親は、子どもに恵まれず僕を養子として引き取り本当の親子として生きてくれました。

僕がその事実を知ったのは、高校生の時でした。
父親が手術をする事になり、初めて両親の血液型を知りました。
こんな時、知識というものは残酷です。
僕は、献血で自分の血液型を知っていました。
生まれるはずがない血液型でした。

この事は一体何を意味するのか、何日も悩みました。

僕は、伯父を訪ねました。
そして、真実を打ち明けてもらいました。

僕は溢れる涙を止める事は出来ませんでした。

施設から僕を引き取る時に、親として適しているかどうか、環境はどうか、生みの親との約束、いろいろな事をクリアしてくれたそうです。

そして、引き取ったその日の両親の喜びようといったら、それは言い表す事など出来ない程だったと。

両親は、『この子は神様からのプレゼントだ』といつも口にしていたそうです。

勉強は出来なくていい、健康でいてくれればと、自由に何でもやらせてくれました。

甘やかすだけの親でもありませんでした。
僕が間違った事をすると容赦なくほほをぶたれました。

僕は、血の繋がりより大切なものをもらいました。

だから、真実なんて関係ありません。

僕は、大学まで行かせてもらい、今年の秋、家庭を持つ事にしました。

結婚したいと両親に話した時に、僕に話があると父が言いました。
きっと出生の事だなと思いました。

父は、言葉を詰まらせながら話してくれました。
僕の両親は高校生同士だったことから、施設に預けられた事。
そして、福祉事務所に母の親友が勤めていて、養子の話を持ちかけられた事などを。

僕は、初めて知ったふりをしました。

父親が、僕の反応を伺っているのがよく分かりました。
僕は、僕の両親は他にいないよと伝え、いつもどおりに接しました。

僕は、胸を張って言える事があります。
僕の尊敬する人は両親
そして、僕が目指す家庭は、両親と僕の家庭。

兄弟が欲しいと言ったことを謝りたい。
僕の言葉に泣いた事がたくさんあっただろうな。

家族が一人増えるよ
初めての娘が出来るよ
そして、僕は父さん達に孫を抱かせてやる。

ああ、家族って本当にいいもんだ。

贅沢な生活じゃなくていい、帰る家とそこに笑顔で迎えてくれる家族があれば。

僕は、親の愛を知らずに育つ子どもだったかもしれない。
しかし、愛情たっぷりに育ててくれました。

仲の良い家庭を僕も作ります。
それが、僕の恩返しです。

たったひとつの命だから
たったひとつの命を今度は僕が育ててみたい
両親が育ててくれたように