ワンライフプロジェクトさま
私の心にある父の姿を思い出しながら本を読ませてもらいました。
仏壇の父に毎日手を合わせるだけでしたが 昨日は父と会話がしたくなりました。
父とさよならをしなければならなかった時 私はまだ小学5年生でした。
父がガンとわかって しばらくは母は黙っていました。
でも もう命がそんなに長くないとわかって 兄と私に話してくれました。
知らされたその夜 涙が止まりませんでした。とても辛い長い長い夜でした。
たったひとつの命が平等ではないことを知った日でした。
生まれた瞬間 人は死ぬことも決められています。
生きる長さが違うだけでいつか命は終わりを迎えます。
なぜ 人の命の長さが違うのか それが平等と言えるのかと私は深く考えました。
その答えが出せないまま時は過ぎ 母は毎日父の看護に 私と兄は家のことをしながら力を合わせてがんばったように記憶しています。
父が入院して7ヶ月たった時 私と兄の運動会がありました。
普通に歩けなくなった父は病院から車イスで応援に来てくれました。
弁当を食べる元気もないはずなのに おにぎりを「うまいな~」「うまい」と言いながらほおばっていました。
その日 私と兄は最後の種目 リレーの選手として精一杯走りました。
がんばれ がんばれと声を出して応援してくれたそうです。
その日 その夜 昏睡状態に陥った父は4日後に亡くなりました。
お葬式が終わっても 暫くは父がいなくなったことが信じられませんでした。
そして 私は命の不公平というものに相変わらず向き合っていました。
でも 受け入れるしかないことも知りました。
人は人の命の長さを決められないものだということを・・・・
たったひとつの命 その長さは決められない
だから 命ある今日を精一杯生きるしかないのだと
今年も母校の運動会の日がやってきます。
車イスで応援にきてくれたおとうさん あの日は本当に暑かったね。
ばかだね つらかっただろうに。本当は起き上がるのもきつかったはずなのに。
お父さんの笑顔 ほほがこけて痩せてしまったお父さんだったけれどさわやかだったよ。
38年しか生きられなかったお父さんだったけれど 私たちは密度濃くお父さんに愛されて幸せだったから。 お父さん ありがとう。