相次ぐ仏像盗難 約700年前の鎌倉時代の仏像も被害 愛知・豊橋市
愛知県豊橋市で仏像の盗難が相次いでいます。地元の人たちが代々大切に受け継いでいる仏像。警備の手薄な無人のほこらが狙われていました。
「いてあたり前のお地蔵さんがいなかったので、ビックリ」(寺を管理する 久納政弘さん)
「お地蔵さまがいないので、皆さん涙を流して帰るのを願うばかりで」(檀家)
愛知県豊橋市ののどかな集落にある「十輪寺(じゅうりんじ)」。無人のお寺です。
「普段はこの状態(無人)で管理しています」(久納さん)
普段から本堂は南京錠で施錠されていましたが、8月に行われた年に一度のお祭りの日…。
「お参りをしようと開けたら、からっぽだった」(久納さん)
年に一度だけ仏像を拝むことできる「地蔵盆の日」。一年ぶりに開くと仏像がなくなっていたのです。
子どもたちを守ってくれるとされ、代々大切に受け継がれてきた仏像。
「自分が子どものときから親につれられて来ていました。自分の子どもが生まれたときも子どもを連れてきて、昨年も孫を連れてきた」(檀家 鈴木三和子さん)
人々の心のより所だった仏像。その価値も高いといいます。
「指定文化財にはなっていないが、最近評価が高まっている仏様。作られたのは鎌倉時代13世紀後半といわれている」(豊橋市文化財センター 岩原剛さん)
作られたのはなんと700年ほど前。豊橋市も3年前に仏像を調査し、その価値を評価しています。
「非常にできがよく、造形が上手で、お顔立ちも少年のような優しいお顔立ちです。多分都(みやこ)で作ったようなちゃんとした仏様です」(豊橋市文化財センター 岩原さん)
仏像がおさまる本堂は、南京錠でしっかり施錠されていました。しかし…。
「あとから考えると、4月の半ばぐらいですかね、そこの鍵があかなかった。鍵を差し込んでも動かなかった」(久納さん)
今年の4月、掃除をするために地元の人が本堂を開けようとしましたが、南京錠が開かず中に入れませんでした。その時点で仏像は盗まれ、その後南京錠はすりかえられていたのではと地元の人はいいます。