きっと多くの山は登れないであろう

2020年の僕の登山シーズンが幕を開けて。

 

大切に一歩一歩登るからこそ

見えてくる景色がある。

 

 

外出を自粛した期間を経て、

僕の自然を愛する心は

これまで以上に強くなっていました。

 

 

風に、草木に、共に歩く友人たちに。

 

「おはよう」「ありがとう」

 

胸の中でそう呟くごとに

元気に生かされていく自分。

 

 

苦しい中にも自然と笑顔が溢れて、

そんな登山者たちを

山の神様も優しく見守ってくださっています。

 

 

霧に包まれた標高1500メートルで

独唱会をするのは小鳥くん。

 

 

天に向かって高らかに囀るその姿に

僕は無条件に胸を打たれて、

しばし時が経つのも忘れて聴き惚れました。

 

 

大山の固有種である

ダイセンキャラボクの美しさは格別です。

 

新芽に付いた水の玉は

どんな宝石より美しく見えて、

 

 

その根本はまるで海底のサンゴのようです。

 

気高い香りは龍を想起させて、

僕の心を見えない世界へと誘ってくれます。

 

 

木道に入ると山頂まであともう少し!

 

意気揚々と登る僕たちを

山頂寸前のところで待っていたのは…

 

 

まさかの立入禁止の看板でした。

 

 

オーマイガーッ!!Σ( ̄Д ̄lll)

 

なんと頂上付近の木道の改修工事中でした。

 

大山の弥山頂上から

最高峰・剣ヶ峰に向かって手を合わせる。

 

それは僕の大神様への愛と尊崇の表現であり、

自分にとっても至福の時でした。

まさかそれが叶わないなんて…。

 

宿坊で握っていただいた

おにぎりをモグモグしながら、

この濃い霧と雲では弥山から剣ヶ峰を

望むことは難しかっただろうと思い直した時。

 

 

雲が3つの筋に切れて、

その間から鮮やかな青空が覗きました。

 

僕の心の声を聞いた龍神が

雲を晴らしてくれているように感じます。

 

… あの場所で待っている。

 

 

あの場所とは、

僕が個人的に大山の大神様を

最も感じることのできる場所、行者谷です。

 

まさに『天赦日』で『一粒万倍日』で

移動制限が解除された日』の吉日に相応しい

物語の展開にワクワクしてきます。

 

再びザックを担ぎ、

自然と触れ合い、友人と語りながら、

向かった行者谷で僕たちを待っていたもの。

 

それは大山の神々が

オールスターキャストでお顕れになって

愛を届け、愛を受け取ってくださった

天空の一大スペクタクルでした。

次第に雲が晴れていく様子を

想像力を働かせながら一挙にご覧ください!!(≧ω≦。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雲が一つ、また一つと浮かび上がって

尊い神々がお顕れになるたびに

僕は愛を、感謝を、

心の中で高らかに叫んでいました。

 

山の中腹で出逢った

あの小鳥くんのように。

 

愛よ、響け。

 

僕の愛は今日も際限なく溢れています。

 

秦基博 / 水無月