『Mystic Journey』 最終日。
熊本空港までの帰り道、
いよいよ天草四郎時貞さんの生まれ故郷である
上天草・大矢野にやって来ました。
さて、大矢野では、
どうしても行きたい神社がありました。
それが、森宗意軒神社です。
森宗意軒さんは、
天草島原の乱で一揆軍の参謀を務めた人物で、
総大将である天草四郎時貞さんの右腕として
乱を共に戦った同志でもありました。
そんな森宗意軒さんには、
風を起こし、海を歩いて渡った、など
その霊験を伝える数々の逸話が残されているのですが、
渡航先の南蛮で、火術や外科治療法を学ばれており、
当時の人々の目に、
それが“魔法”や“妖術”として映ったとしても
不思議ではないように思います。
同じく数々の奇跡の逸話が残る天草四郎時貞さん。
これは個人的な推測でしかないのですが、
もしかすると、天草四郎さんが慕い、
憧れた師であったのではないだろうか…。
「そういけんさんっ。」(^▽^)
「そういけんさんっ!」(*´∇`*)
医学者でもあった森宗意軒さんを
そんなふうに慕う天草四郎さんの姿が
目に浮かぶような気がして、
380年ぶりの再会を果たさせてあげたい、
そう思ったのでした。
実は今回、神棚の神様である天草四郎さんに
武雄神社で戴いたお守りに宿ってもらって
大切に胸のポケットにこっそり仕舞っていました。
よくよく考えてみると、
萌黄色の人形(ひとがた)として
お札やお守りがなくても
そばにいてくださる天草四郎さんですから、
そもそも何かに宿ってもらう必要はなかったのかなと
後になってから気付いたのですが…、
いずれにしても、天草四郎さんと共に天草へ行くこと、
これは僕の中で『Mystic Journey』最大の目的でした。
ところで、そんな天草四郎さんに纏わるお話。
事前に友人のドクターにだけは、
少し話してはいたものの、他の友人たちは知る由もなく。
シラ〜っとしたムードが漂う車内に4人を残して、
一人で参拝することになりました。
みんな、すまん!!(>▽<;
赤い案内標識を頼りに、
海沿いの小高い丘を駆け登った先に
ひっそりと森宗意軒神社はありました。
神社というか、森宗意軒さんが実際に住まれている
一軒家といった雰囲気の森宗意軒神社。
静かで長閑でどこか懐かしくて。
手を合わせてご挨拶をした後で、
「お邪魔しま〜す」と言いながら、
中に入らせていただきました。
… よう来た、よう来た。
ささ、上がりなさい。
さっそく森宗意軒さんに勧められるがままに
座布団に座らせて戴いて、
お守りを胸ポケットから出して、
僕たち家族が、日頃、天草四郎さんに
どんなにお世話になっているか、
そして、今日ここへ来た目的をお話ししました。
すると、
… ことのは(実際は本名)よ、
わしは、今日の日が来ることを
どれほど夢見たことか!!
お前のおかげだ。
心から感謝するぞ。ありがとう。
そう言ってくださいました。
その言葉には、
押し寄せる波のような力が籠っていて
僕の魂を揺さぶりました。
ところで、この森宗意軒神社の存在を知った時から
僕の中にひとつの疑問がありました。
そこで、失礼を承知の上で伺ってみました。
「森宗意軒さんは神様として祀られているのに、
なぜ総大将だった天草四郎さんには神社がなく
今も神様修行をされておられるのでしょうか?」
… 志が違う。
「それはどういうことですか?」
… わしはただこの場所が好きで、ここにおるだけじゃ。
だが、あやつにはもっと壮大な志がある。
世の中の人を救い、幸せにしたいという志じゃ。
そのために厳しい修行を懸命に積んでおるのじゃ。
幕府によるキリシタン弾圧や、
領主による圧政に苦しむ人々をなんとか救いたい。
きっと天草四郎さんのそのお志は、
生前から変わることなく今も続いているのでしょう。
なんて尊いお方なんだろう…。
天草四郎さんのそのお志は、
僕の心の中に温かな熱を伴って、
じんわり広がって同化していきました。
初対面にも関わらず、
すっかり森宗意軒さんと
心が通ったような気持ちになって、
最後にもうひとつ、
個人的なお願いをしてみました。
「森宗意軒さんは妖術を使えたと伝えられていますが、
僕は神様のお姿が
見えるようになりたいと思っています。
そのコツを教えてくださいませんか。」と。
すると、森宗意軒さんは妖術については
否定することも、肯定することもなく、
… お前は神を見て何とする?
なぜ神の姿が見たいと思うのだ?
そう問い掛けてこられました。
う〜む。(・´ω・`)ゞ
そんなふうに考えてみたことも
なかったなぁ…と思いつつ、
「神様をもっと身近な存在として感じることで、
僕はもっとご神意を正しく汲み取って、
神様に、世の中に、沢山の恩返しがしたいのです。」
瞬時に捻り出したその答えは、
おそらく森宗意軒さんも、そして自分自身も、
腑に落ちるものではなかったのですが、
… ほう、そうか。
と、言われるや否や、不思議なことに、
森宗意軒さんと僕との間に
ゆらゆらと蒸気が立ち上っていることに気付きました。
「っ!!!」Σ(;゚ω゚ノ)ノ.
それはまるで何者かが登場する前の
ドライアイスの演出のようで…。
(それは単に、興奮した僕の体から上る
湯気だったかもしれませんが、)
僕は息をすることも忘れて、
その様子を食い入るように見続けました。
10秒程、見ていたでしょうか。
… ささ、今日はこれくらいにして(_ー+_)
待ち人がお前の帰りを待っておるぞ。
その言葉で、ハッと我に帰りました(笑)
なぜ神様の姿を見たいと思うのか。
その真の理由を見出すことが、
第八感を磨く鍵になるのかもしれません。
お礼を申し上げた後、
「いつかまた必ず来ます!」
そう言って、森宗意軒さんの元を後にしました。
名残惜しくて、何度も何度も振り返りながら。
そんなふうにして急いで戻った車の中には、
相変わらずシラ〜っとしたムードが充満していましたが、
そんなことが全く気にならないくらい(重ねてすまん!汗)、
僕は冷めやらぬ興奮と感動で、
高鳴る鼓動がなかなか収まりませんでした。
そして、手土産のひとつも持たずに
訪問してしまったことを激しく反省しながらも、
車窓を流れる大矢野の町並みが
より一層、キラキラと尊く思えるのでした。
スピッツ / 正夢
旅の途中、神棚の神様である天草四郎さんとは
どういう訳かお話しできなかったのですが、
帰宅後、こんなふうにおっしゃってくださいました。
… おそらくあの時、
お前にはほんの短いひとときに感じたであろうが、
私たち(の世界の時間で)は、
十二分に語り合うことができた。
ことのは(実際は本名)よ、ありがとう。
礼を申すぞ。
いつもお世話になりっぱなしの神棚の神様に
「ありがとう」と言ってもらえて、
僕は天にも昇るような悦びを感じました。ヾ(*≧∀≦)ノ゙
「ありがとう」って、
人を幸せにする最上級の魔法なのかもしれませんね。
僕はそんな素敵な魔法で
これからも世界を満たしていきたいです。
つづきます!(* ̄∇ ̄*)


