朝起きてから胸の中がモヤモヤとしていた。
「変なことを訊いていい?」
「う、うん。どうしたの?」
僕は思い切って声を掛けたのに、振り返った友人を見て言葉が出てこなかった。
「だから、どうしたのよ?」
「あのさ……。そのォ~」
あまりに困惑したいた僕を見て、友人が微笑みながらじっと待っていた。
「何?」
「う、うん」
僕は、大きな深呼吸をして頭の中で言葉を探した。
「昨日話してくれた初恋の人って目が大きい?」
「ああ、そうだね」
「髪は、どれくらい?」
「肩よりも少し長いかな」
「ストレート?」
「そうだけど……。どうしたの?」
「実は、今朝の夢でその人に似た人に会ったんだ。だからちょっと訊いてみたんだ。髪は黒い?」
「うん。そうだね」
「やっぱり……」
どうしてその人が夢に出てきたのか僕には分からなかった。ただその人は、友達のことをヨロシク頼むと言っていた。
「何か言っていた?」
「うん。ヨロシクねって」
「フ~ン」
友達はそれほど不思議に思っていなかった。なのに、僕は胸騒ぎがおさまらなかった。あまりにはっきりとした顔が、今でもはっきりと瞼に焼き付いていた。

