夜空に落ちていた

 

黄色いまん丸の

 

ボタンをひろった。

 

 

 

ひろって、僕のシャツのボタンにした。

 

 

 

それ以来、僕の黄色のボタンは

 

満ち欠けをはじめた。

 

 

 

新月のボタンのときは

 

シャツがはだけた。

 

 

満月のボタンのときは

 

シャツがきっちりとしまった。

 

 

 

 

そして僕は夜空を散歩する。

 

 

 

ゆっくりと時間をかけて

 

散歩する。

 

 

 

 

そのうち、

 

みんなが僕のことを

 

満月とか新月とか、十五夜お月さまとか、

 

呼ぶようになり

 

僕は月のフリをするようになった。

 

 

 

雲のない日は、

 

僕はみんなに見られて、

 

雲が満ちている時には、

 

僕はひとりぼっちになった。

 

 

 

満月の時にはお腹がいっぱいになり、

 

新月の時には夜空をひっかいた。

 

 

 

そのうち、自分が月なのか何なのか

 

分からなくなってきた。

 

 

そして、僕は夜空に落っこちてしまった。