「会津執権の栄誉」 佐藤 巌太郎著
四百年の長きにわたり会津を治めてきた芦名家
しかし十八代目当主が家臣の手にかかって殺されたことから
男系の嫡流が断たれ、常陸の佐竹義重の二男
義広が婿養子として芦名家を継ぐことに決まった
血脈の正当性なき家督相続に動揺する、芦名譜代の家臣たち
義広が引き連れてきた佐竹の家臣団との間に、激しい軋轢が生じる
揺れ動く芦名家に戦を仕掛けるのが、奥州統一を企てる伊達家の新当主、伊達政宗
身中に矛盾を抱えたまま、芦名家は伊達氏との最終決戦摺上原の戦いに至る
勝者の物語などもう興味がなくなった
どうやって勝ったのか知ったところで、何の意味もないこともわかってきた
人それぞれ状況や度量も違うし
そもそも人生における勝ちとは
いったい誰に勝って、誰に負けるのかも
よくわからない
桶狭間の戦いで勝利した織田家
その後豊臣秀吉の巧妙な仕掛によって滅亡したし
敗れた今川家はその後明治まで続く名門となる
局地的な戦いに勝利することなのか?
数百年にわたってその家名と名誉を維持することなのか?
そんな真面目な話しはどうでもいいか
壮大なスケールなど皆無の、ものすごくスケールが狭く、陳腐なお話を
毎月2回出張で行っていたとある地方都市の
とある場末のスナックでのお話し
60代の熟女ママと30代前半のチーママ風の女子A、20代半ばの女子Bの3人で営業してた
初見で最初に話の相手をしてくれたのが
20代のBさん
何度も通ううちに当然仲良くなり
そのうち3人ともに打ち解けるようになった
そのなかで30代のAさんが読書家であることがわかり
話しも合うため、特に仲良くなった
次第にBさんが『KENJIさんは自分のお客さんだから、指名はわたしにして欲しい』とあからさまに公言するようになった
ちなみにこのお店は少額ではあるが一応
熟女ママの裁量で指名料金が発生することもわかった
お店へ行くたびに店内で水面下での女の戦いが始まるようになった
(これは後々で熟女ママから聞かされた)
お店へ行ったある日
酔った勢いにまかせ、冗談半分に
20代Bさんに『お店終わってから一緒にホテルへ行ってくれたら、これからもずっと指名でいいよ』とかまをかけた
彼女は『毎月必ず2回はお店に来てくれることと、お小遣い、コンドームを二重につけて外出しすること』と条件をつけてきた
あれからもうあのお店には行っていない
個人的には飲み屋のこざかしいセコい駆け引きが大好きなのだが
転勤になったのが決定的だった
日本のスナック制度はすばらしい
人生のいろんな人間模様を見せてくれる
はすっぱな人間には、はすっぱな飲み屋がよく似合う
