「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」

松岡圭祐著



『嘘をつくなら、最後までつき通しなさいよ!』


かなり昔

年上の元カノが最後に言った



この作品は最後まで嘘をつき通している

ここまで大嘘をつき通してるのをみると

かえって清々しい

人間は本当に大したものだ

何処まででも嘘をつき通すことができる

平気な顔で嘘をつき、平気な顔で報酬を受けとる

嘘をつき通すとそれが真実だと思い込む



地球上の生物で

身を守ったり繁殖したりする以外に嘘をつくのは人間だけかも知れない

っていうか、人間だけだろう!?

ボノボなど高等類人猿ならするのかな?





まだ若かった自分は

年上の元カノに嘘をつき通すことができなかった

鼻がヒクヒクするし、目線を逸らす

なんと分かりやすい



大人になり

嘘をつくのが当たり前のようになった

そのほうがうまく行くし、彼ら彼女らもそれを望んでいる

(本当にそうなのか分からないが)



それでも、大人になった自分はこう思う



真実ほど過酷で残酷なものはない

真実は人間の心をズタズタにする

真実なんて知らなくても、生きて行ける

だから真実なんて知る必要はない

(自分は法学部出身なのに…恋人や配偶者が殺されたら、こんなこと言えるのかとは思うけど)




ただ嘘や妄想、架空やフィクションには

真実はないけど真理はある




なんか、つまらないトム・クルーズのハリウッド映画のワン・シーンみたいだ

『我々が知りたいのは真実だけだ!』

みたいな



ただただ正義と真実を振りかざす

背の低いイケメンが言いそうな台詞だ