じりりりり。大きな音が病室に響きわたった。
だが誰も止めない。
カチッ。
誰かが止めた。
澄海だ。
周りを見回すと誰もいなかった。
外を見てみると朝日が眩しい。
静かな病室には少しだけ三人がいた面影が残っている――――。


三人は自分の思い思いの場所にいた。


光は広い池の前に立っていた。
【この場所は…自由と私が初めて会った場所…】


その日私は小さい頃からの知り合いの友達とスーパーで遊んでいた。
そのスーパーの中にあるフリーマーケットで手作りのブローチをペアのお揃いで買った。
その時毎日がとても楽しかった。「ずっと友達だからね!!」「うん!!勿論!!」その子とずっと一緒にいれればもうあとはどうでも良いと思った時もあったくらいだった。
あんなことが起きなければ…


数日後にその友達は犯罪に手を染めてしまったのだ。
コンビニに刃物を持って押し掛け現金を奪って逃走したと言う話を聞いてしまった。
私…どうすれば良いの…これからもずっと友達でいるんだよね?何でこんなことを…
そして私にものすごいショックなことが起きた。
たまたまその友達に学校の帰りに会った。
私はどうしてこんなことをしたのか聞こうとしたら逃げられた。
そして次の瞬間。
暴走運転をしていた車が友達をひいた…。
これは罰が当たったからなのか?だけど私にとって大切なものが…いないと困る者がいなくなった。きれいさっぱりとしかも自分の目の前で…。
私はショックでずっと家に閉じこもった。
もう誰も信じない、信じられない。私は毎日泣いていた。
そして私は泣くだけ泣いた。でも何も起きない。
久しぶりに外に出てみたが周りは何もなく平然と時を刻んでいる。
私の中の時間が止まりかけているような感じがした。
今思えば悲しみに飲み込まれかけていたんだ…。違う半分位もう飲み込まれていた。
立ち止まりブローチをぼーっと眺めまた私は涙を流していた。
すると後から突然ガッと 体当たりされた。
私はよろける。
気がつくとブローチがない!!
前を見ると体当たりをした女性なのか走り逃げている。
「あっ」手には…
私のブローチ!!
さっき、すられたようだ。
私は必死に走って追いかける。
返して!!それは大切な世界にひとつしか無いものなの!!友達と約束した大切な物!!
そんな私の心の叫びなんて知るはずもなく走って逃げていく。
ハァハァハァ息がきれてきた。
取り戻したい。だけど体が言うことを聞いてくれない…。
あきらめかけた時
ドカッ女性に体当たりをする少女。
それが自由だった。
ぎゃっ女性は倒れすぐ起き上がって逃げた。…?ブローチを持っていない。
ボッチャン何かが落ちる音がした。
近くの池にブローチが落ちてしまったのだ。私は絶望を感じた。
この池は広くて深い…だがその時自由は池に飛び込みブローチ探し始めた。」
私はそれを見て
「えっ?ちょっと危ないよ!!」
と叫んだが聞かず探している。
そして一時間位たった時自由は見つけだしてくれた。
私は自分の中にとても暖かくて安心するものが溢れた。
そして私は聞いた。
「どうして私を知らない他人のあなたがここまでしてくれるの?」自由はにこっと笑って「私は他人だってほっとけないよ。救えるなら救いたいただそれだけ。」
そう自由はいつもそうなんだ。
自分がどんな状況になろうとも笑ってギリギリの所で助けようとする。
でも昔信じられないことを知った気がするんだけどわからない思いだせない。
でもそれがわかった時に本当の自分自身がわかるのかな。
ねぇ??自由。


そんな思いに光がふけている頃降も降で澄海との思い出の場所でゆっくりとしていた。
懐かしい雰囲気をただよわせる富士山の絵。
桧(ひのき)の香り。
牛乳瓶やコーヒー牛乳、フルーツ牛乳。降は銭湯でお風呂に入って澄海との思い出を振り替えっていた。


いつもいつも夜になると僕は澄海とこの銭湯に来ていた。
そこでいつも会う絵を書くのが好きな女将さんと大工の棟梁。
僕と澄海はこの頃は親友ではなく友達だった。この銭湯では一年に一度風呂桶や木の椅子を大工の棟梁が作り直し、女将さんはお風呂の中の富士山の絵を夕方にしたり夜にしたりとアレンジして書き直す。その時期がちょうどやってきた頃、僕と澄海は休業の看板を見ずに入ってしまった。
そして作り途中の木椅子と書きかけの絵を見た。
僕も澄海もそれに感動し特別に手伝わせてもらった。
大工の棟梁は顔は怖かったけど心優しくてとても熱心な人だった。「一つ一つのことに魂をこめなきゃ男じゃねぇ!!」それが口癖。でも僕が好きだった言葉は澄海が大工道具をまたいで怒った時のこの言葉。
「くらぁ!!俺の大事なパートナーをまたぐんしゃねぇ!!いいかこういう道具はな、人が大切に使った分だけその人の期待を裏切らん。気持ちが道具にこもるからだ。だが今回は許してやる。だがもう一回やったときそんときはお前は人間じゃねぇからな。一回言ってわからねぇやつは動物以下だ。動物は痛い思いしないとわからないが人間は一回やったら動物と違って気持ちひとつで直せるんだ。わかったな!!」
この言葉は今でも覚えている。
澄海のあの脅えた顔とともに。
そうやって大工の棟梁は僕と澄海にたくさんのことを教えてくれた。
女将さんもだ。
女将さんのことがあったから僕と澄海は親友になれた。
女将さんは大工の棟梁と同じく富士山を愛し毎年気持ちのこもった絵を書いていたのだが…
絵の制作途中で女将さんは倒れ病院に運ばれた。

大工の棟梁は女将さんの看病で忙しく店は長い間閉まっていた。
そこである日女将さんが僕と澄海に頼んできた。
「あの富士山の絵を完成させてほしいの。二人なら器用だから絶対に完成出来るから…」
そんな女将さんの気持ちに打たれて僕と澄海はやることにした。
だか女将さんのようには上手くいかなかった。
「おい!!そこ色が違うぞもっと薄い色だよ!!」
「お前こそ後の背景と色があってないじゃないか!!」
僕と澄海は喧嘩した。
熱くなり澄海が「もうお前はやるなよ!!変になる!!」
降も感情的に
「わかったよ!!もうお前の勝手にやれば良い!!」
そう言って僕は銭湯から出ていった。
だが数時間後気になって戻ってみると驚くべき光景を見た。
富士山の絵はペンキでぐちゃぐちゃになり澄海は、はしごの下敷になっていた。
高いとこにあるペンキを取ろうとした所、ペンキは落としてしまい同時に無理して取ろうとしたのではしごが自分の方に倒れてしまったのだった。
降は走り
「澄海!!」
この時初めて降は澄海と呼んだ。それまでは澄海のことを本間と読んでいた。
はしごをどけようとするが重くてこの頃の降には持ち上げることができなかった。
どうしよう・どうしよう。降は賢明に考えた。
そして思いついたのは…
降は大工の棟梁の部屋の隣にある木材室から太い丸太をもってきてはしごに引っ掛けた。
そう、降はテコの原理を使ったのだ。
ガシャン!!はしごが反対側に倒れた。
降は澄海に声をかける。
「おい!!大丈夫かよ?」
澄海はうっと言って顔をあげ
「お前…」
降が言う
「やっぱり二人じゃないと駄目だよ。僕達は女将さんの思いを半分ずつもってるんだし、女将さんが言ったように二人じゃないと出来ないよ。」

澄海は起き上がり
「ごめん俺…熱くなりすぎた。」
降も
「僕もだよ。」
二人は拳を合わせ
「この絵は俺が駄目にしちゃったけど…」
「あぁ今度は二人で魂のこもった絵を書くぞ!!」
そこで僕と澄海に絆が生まれた。
黙々と作業を続ける中、大工の棟梁が心配なはずの女将さんを病院において来てくれた。
そこで大工の棟梁が差し入れの牛乳瓶とコーヒー牛乳とフルーツ牛乳をもってきて言った。
「今のお前ら二人は良き職人のような目をしているなー。ここで一息。乾杯だぁ!!」
カシャーン!!
良い音が響き渡った。ゴクゴクゴク。
今までにはない格別な味がした。
そして大工の棟梁は帰っていき二人は作業をまた再会した。



そして絵の完成。
二人は気づかない間に徹夜をして仕上げたのだった。
鮮やかな赤色に染まった富士山。二人の息もバッチリではみ出ているとこなんてない。
色の違いもない。
それを見た女将さんはその美しさに感動し涙を流して喜んでくれた。
大工の棟梁も満足げに絵を見ていた。


今…その絵じゃないけど男風呂の富士山の背景絵は夕焼けだった。そして大工の棟梁が好んで使っていた桧の香りがする。
ザバァン!!
降はお風呂からあがり着替えて番台に行き
「おばちゃん牛乳瓶一本ね。」
そう言ってお金を払い牛乳瓶のふたを開け
澄海…僕達がもし…本当にもし千春おばちゃんの息子の一瞬さんやあの仮面男みたいにどん底へ落ちそうになったらここに来ような。
ここにはいつまでも僕達の魂が込もっているからさ。


ゴクゴクゴク。
降が一気に飲み干した。
カン!!机に瓶を置き降は銭湯をあとにした。




その頃自由は町から離れた港に足を運んでいた。
船がボーっと汽笛の音を小さく鳴らしている。
それを見た自由は目を細くして呟いた。
「懐かしいなぁ~ここで私と光と澄海と降。四人が一緒に出会ったんだよね…。」
あんなことがあって、こんなことがあって私は一人運命なのだと思い自殺をしようとしていた。
でも突然の暖かな光の中気がつくとあなた達がいた。
それまでの私は暗くて長い静かな道を歩いていた。
たまに出口がある。
出ようとすると何故か空回りして出れない。
約束なんてどうせ破られるだけだ。

それはただ願いを口にしただけ。
約束の場所でまたあなたに会った時、きっと本当の自分が見つかるよ。


だって私とあなたはそこで本当の自分自身とお別れをしたのだから。
でも約束は守ってね。私は待ってるから。
一人も欠けないでみんなで来て。



ガラガラ…「こんにちは千春おばあちゃんいらっしゃいますか?」自由が大きな声で言った。
だか反応がない。
カウンターを除いて見ると何かを抱いて寝ていた。
自由と光は見てはいけない物を見た気がした。
千春おばあちゃんが抱いていた物…それは一冊のアルバム。
それから落ちた一枚の写真。
幼いが確かにあの銀髪の男と同じ顔立ちをしていた。はじっこのほうに一瞬(かずき)&千春と書いてあった。
「これで確かな確信がついちゃったね…」
「しょうがないよ。現実はしっかり受け止めなきゃ。」
光は写真を拾いよくよく見て言った。
「あの人昔はこんな笑顔だったのに…。どうして今はあんなふうに変わってしまったんだろう…。千春おばあちゃんもとても若々しくて嬉しそう。」
写真に写る銀髪の男の子は華やかなくらい笑顔だった。それに負けないくらい千春おばあちゃんも。
「大丈夫…取り戻せるよ!!この写真のような笑顔を!!私が笑ってきっとあの人も笑顔にしてみせる!!」
「自由ならそれが出来る気がするよ。私信じてる。」
「それでさっ、だからやっぱり千春おばあちゃんにあのこと言うのやめよう。」
自由は光に向きなおって言った。
「えっ??(・_・;)」
「考えたんだけど笑顔になったおばあちゃんの息子さん…いや一瞬さんを連れてきて千春おばあちゃんにも笑ってもらおうよ!!」光は目を光らせ
「自由それ名案だよ!!じゃあ早くでようか。千春おばあちゃんが起きないうちに。それに澄海と降にもこの事実と決意を言わなきゃ。」

二人は春子屋を立ち去った。


そして病室に戻ってきた二人はさっきの出来事を話した。
降ははぁーっと力のない声をだし
「やっぱそうか…。だが自由の案もいい。さっき俺達も今後の話をしていたんだ。僕ね最近ふわふわした変な感じがする時があるんだ!!だけど実際澄海もそうだった。もしかしたら二人もそんな感じの時がある?」
「ある。」
二人は同時に言った。
「その感じになった時何か手掛りになるような夢みたいなのや声が聞こえたんだ。」
自由が言う。
他の三人もそう。
「じゃあみんな自分がどんな物を見たか語ってくれ。」澄海から話始めた。
┘└┘└┘└~~~~~~~~――――――/\/\/\………
降が
「なるほど。出てきた場所は海と山と何処だかわからないが遊園地。」髪を結びながら光は
「じゃあ今後の行動はその三ヶ所に行ってみること。」
「近くに山あるから一番最初は山だね。」
自由がまとめる。
今回降はまとめられなくてなんだか可哀想だと澄海と光は思っていた。
口には出さないけど。
「俺はこんなだしどうすれば良い?」
澄海が困った顔をして言った。
「そうか~四人で行った方が良いもんね~。」光が言う。
「いろんなことがあったし少し日を改めてから行こうよ!!」と自由。
「決まりだな。」


ぐー。お腹の鳴る音が聞こえた。
(恥)(ノ_・゛)
澄海だった。
気づけばもう夕飯時だ。
そういえばみんな今日は何も食べていない。
光が
「私夜だけやってる美味しいお粥のお店知ってるから買いに行こうか?」
「あっ私も行く!!」
自由も賛成した。

「お粥かぁ~消化が良いから今の澄海にはぴったりだし久しぶりにお粥もいいなぁ~」
と、のことで自由、光、降の三人は澄海を病室において病室をあとにした。



ホーホーホーホー。
何処かで鳩が暗闇の中鳴いている。
その中暗くて細い道を三人は歩いて行く。
少しすると小さな公園に着いた。
お店はこの先にある。
カランコロン…ぼんやりした暗闇の中から下駄(げた)の音だけが響いてきた。
そして突然
「君達悪いが商店街への道を教えてくれないか?」と中年ぶとりの男が聞いてきた。商店街あっちの道を真っ直ぐ言ったとこですけど…」
自由が答えた。

男はそうかありがとうと言って歩いて近づいてきていきなり自由の顔に手を振れ
「君かわいいね。名前なんて言うの?」
自由はびっくりした。そして同時に
「自由に触るな変態おやじ!!」と降は殴った。
中年男はにやっと笑みを浮かべ
「自由ちゃんかぁ~かわいい名前。」
う゛っ キモイ!!(>ー<)あのどっかの誰かさんみたい…
光は
「早く行こっ。」っと言って二人を引っ張り走り逃げた。

ぽつんと公園に残された中年男。
すっ、っと顔に手をかざすと二十歳くらいの男になった。
変装していたのだ。
「あのこが自由ちゃんねぇ~これであの子猫ちゃんを探しやすくなった。」
ダッダッダッダッ…
ふっ。
あっちから出てきてくれたみたいだね。

二十歳くらいの男は手をだし。
「は~い子猫ちゃんみつけた。ストップ!!」
小さな女の子はブレーキをかけた。
そしてにらみつけ
「何よ?誰?」
二十歳くらいの男はにやっと笑い
「君は今ここで自由ちゃんと会うわけにはいかないね。ちゃんと約束の場所で会わなきゃ。」
小さな女の子は目を見開いて
「どうしてそれを知っているの?。それに何者?」
「僕は見届け人さっ。」
少女は首をかしげ
「見届け人?」
「そうさ。世界には普通に何もなく生きる人、自分を見失う人、引き込む人、助ける人それで僕みたいな見届ける人たくさんいる。君は助ける人だ。自由ちゃんをね。」

少女は少し怒り。
「何故そうわかっているなら私を会わせようとしないで、止めようとするの!!もう待ちきれない!!自由に会いたい!!」
二十歳くらいの男は一気に少女の後にまわりこみ
「君が自由ちゃんに会うのはまだ早い。」
そう言って少女の首に手刀が入った。
ガッ!!
少女は倒れこんだ。
「やれやれまったく手間をかけさせてくれる。」
二十歳くらいの男は少女をかつぎ何処かへ歩いて行った…。


わいわいがやがや。
お店の前は人で溢れかえっていた。
「うわぁすごい人!!夜なのに。」
「とりあえず並ぶかっ。」
そう言って降は行列の中に並び始めた。
その間自由と光は暇なので行列の数を数えていた。
一、二、三、四…

「六十七、六十八、六十九!!すごい!!六十九人なんて初めてだよ!!この前まで四十三が最大だったもん!!」光は感激の声をあげた。
自由は少しあきれて
「光そんなことやってたの…知らなかった。」
そうやって遊んでいるうちに順番がきた。
こうして考えると楽しい時に流れる時間は早い。
今月のおすすめは卵粥だったので卵粥を四つ買った。
帰りに自由が
「またあの変な人いないよね?」
降が
「心配しすぎだよ。いるわけないだろ。」
公園に着いて、いないのをちゃんと確認。


病院に戻ってきた。
「澄海!!買ってきたよ!!っとあらららら…なんだ寝てるのか。」
自由はちょっと残念そうに言った。
「みんなで食べたかったのになぁ~」
「寝てるならしょうがないよ食べようか。」光が買ってきた卵粥を出す。
そこで降が
「飲み物が欲しいな。自由。ドアに一番近いしちょっと買ってきてくれるか?下に自動販売機があったから。」
「ええっ面倒。」
降はちょっと嫌味っぽく
「さっきお粥買うのに並んでたのは誰だったかな~」
自由が折れて
「わかった。わかったよ。買いに行けば良いんでしょ。」
ふてくされながら自由は病室を出ていった。
そして降
「お前も狸寝入りやめて起きろ。
澄海はこちらを向き
「バレてた?」
降は軽く
「バレバレだよ馬鹿。」
光は感心して
「よくわかったね。私気がつかなかった~何でそんなことしたの?」
降は内心思っていた。光お前…本当鈍いよ…そりゃぁ自由がいたからだし昔お粥であったあれが原因に決まってる。

昔お粥であった原因。それは澄海がいつものように無茶して怪我をしたとき自由が作ったお粥を動けない澄海に食べさせていたことがあった。しかもその時とおなじ卵粥。澄海はそれが恥ずかしくて狸寝入りし後でゆっくり食べようとしていたのだった。

自由が帰ってきた。
「はぁ~疲れた。あっ(・o・)澄海起きたんだ。じゃあ食べよう。」
開けるとほかほか温かい匂いがした。
フーと冷ましてから食べる。
「あつっ。」
光が言う。

ふぅー
「お粥美味しかった♪また食べたいね。」
みんな同感だった。
とてもふわふわしていて卵そのものの味がしっかりと生かされていた。
今日ももう終わり。長いと言われる夏休みだけど気がつけば終わっている。今日寝るのが惜しい位。
やることがたくさんありすぎてもっと時間が欲しい時がある。
逆に早く過ぎて欲しい時もある。
それぞれの思いを乗せて明日のために今日はおやすみなさい。
何だろう?このふわふわした感じは…


ザザーン…ザザーン…青い空の下で繰り返される音。
良い音と良いにおい。笑い声。
森のかなでる音楽と、周りの美味しい空気。上から下へと無限に落ちていく水。

あっ…また流れてるあのオルゴール。
たくさんの物が私達を迎えてくれたね。
それでたくさん遊んだ…
「約束だよ」
「自分の思ったように動け!!お前は自由(ここはじゆう)だ何をしても良い。」
「リセットしてはいけない!!失わないで!!」「今なんつった!!取り消せ!!それで二度と言うな!!!」「どうすれば良いかもう…わからないよ!!」「何であなたが…」
「知るかっ!!!」ドカーン!!「俺は騙されていたのか…」
「もう嫌だ!!やめて!!やめてぇぇ!!~」



サラサラ…風が心地良い…。
自由は目を開けるとそこは白い部屋にいた。
私は病院のベットの中にいた。
隣のベットには澄海がすやすやと寝ていた。
澄海平気だったんだ…良かった。
自由はほっとした。
でも私行っても何も役にたてなかった…結果的に私の予感通り嫌なことが起きてしまった。
結局は本当の自分自身も見つからなかったし…
私の本当の自分ってもしかして人を傷付けるだけの存在なのかな?
急に悲しくなってきた。じわっと涙がでそうになった。
でも自由はこらえ
「駄目だ!!、こんなことでくじけちゃいけない。前を向いてしっかり歩かなきゃ!!」
「そうだ…よ」
澄海が聞いていた。
私は恥ずかしくて顔が赤くなった。
「自由はいつも笑ってる。お前が悲しい顔したらみんな悲しくなってしまうぞ。自由が笑ってるからみんな笑顔知らないうちに笑顔になるんだ。」
「そうだよ!!私自由の笑顔大好きだよ!!なんだかその笑顔を見る度に安心できるもん。」光が入ってきて言った。
後には降もいる。
「必要のない人間なんていないだろ。自由は笑顔を作る役、澄海はみんなを動かす役光は相談役そんで僕はボケ役か?」
「ふふっ違うよ降はまとめ役だよ」
自由が笑いながら言った。
「やっぱ自由には笑顔が一番だね♪みんなそれぞれ役目があるんだからしっかり実行してくれないと駄目だよ。」光の言う通りだ。
「みんなの言葉が私の力になるよ…会えたのがみんなで本当に良かった。」
自由は本当にみんなに感謝していた。
「おし!!みんなの気持ちが深まったとこでちょっと大事な話なんだ聞いてくれ!!」
降が大きな声で言った。
「あっ私もデパートの屋上であったこと話しても良い?」降はがさがさて袋から林檎をだし
「当たり前だ。四人の中に秘密は無しだよ。お馬鹿。」
「そうだったね」
降が林檎をむき始めそして言った。



シャリシャリ林檎を食べながらみんなの報告が終わった。
「そうか~上ではそんなことがあったんだね。千春おばあちゃんの息子さんと似てるね。でもその仮面男の方がヤバイ…あの若い男性をあそこまでするなんて…」光は思い出すたびにぞっとしていた。
「結局その若い人も自分自身を見失って落ちてしまってたのが残念だね。」自由が林檎を食べながら言う。
「僕思ったんだけど澄海お前自分自身を見失うとこじゃなかったか?確かに動かないと事実は得られないけど自分の命がなくなったらもしかすると澄海の本当の自分自身も消えてなくなっていたかもしれない。」
「そうだよ探すのと自殺行為とちゃんと判断しなきゃ!!」
「ごめん…俺格好ばっかだったよ…」
「本題は千春おばあちゃんの息子の話だよね…」
自由が暗く言った。
「言ったほうが良いんじゃないかな?知らないより知ってたほうが良いかもそれに千春おばあちゃんは自分自身を見失う人じゃないよ!!」光は素直に言ったが男性陣二人は
「俺…なんか言いにくいし、もしかしたら外には出さないだけで内心傷つくかもしれないからなぁ…」
降も
「僕もやめた方が良いと思う…」
「えっ◆まぢでΣ(゜ロ゜;)?! ◆。ねぇねぇ自由の意見は?」
「私は言う派。千春おばあちゃんのおかげで今の私達がいるんだし辛いかもしれないけどやっぱり言う。」
ふぅとため息をついて澄海が
「割れたな…。」
と困ったように言う。
「じゃあ私と自由だけで行くなら良いかな?二人は言うのが辛いんでしょ?」
「迷っててもしょうがない…頼む。」
降がきっぱり言った。澄海も賛成した。
ガチャ、タッタッタッ、バタン。

静かな病室にドアが閉まる音がいつもより大きく聞こえた。
残った二人。
「澄海お前傷は平気なのか?あの二人は心配みたいだったけどあえて聞かなかったからよ。」
澄海は手を前にかざし「体の方は安静してれば平気だけどよ…手には見事風穴開けられちまった。手の細胞が運良く綺麗に撃ち抜かれたならもしかしたら元に戻るかもしれない。確立はものすごく低いって言ってたけど。」
降は近くの椅子に腰かけ
「本当にそれで良かったのか?」
「あぁ…」
「自由のためならかっ…」
がたっ!!澄海はびっくりして思わずベットの柵に足をぶつけてしまった。
「なっ!!Σ(゜Д゜)降!!お前!!」
降は笑い
「わかるよ。僕と澄海は昔っからの親友じゃないか。後悔してないならそれでも結構だけど。それで?体張って得た物は?」
「そうだな…」
澄海は何処か遠くを見るような優しい目をして
「忘れていた昔の思い出。ほんの少しだけだけど。屋上から落ちて俺が気絶した瞬間だった。ふわふわと俺の中にいろいろなもんが流れこんできた…。」
「僕も最近あるよそんな感じのこと。コレって本当の自分自身へのヒントだと思うんだけど?」
「俺もそう思うよ…本当の自分自身の扉を開けたらどんな世界が広がってるかな?」
降は座り直して。
「さあな…時がたてばいずれわかる…。」



俺達の出会いってどんなものだったっけか?思い出せない。
ただ覚えているのは自由はその頃からずっと笑っていた。光は無邪気に長い髪を揺らしていた。降とはずっとず~っと一緒にいた…気がする。



にゃ~。
「あぁっ!!猫!!~いやーんかわいい」
光は座り込み猫を撫で始めた。
「相変わらずの動物好きだね。」
「うん♪この愛らしさが大好き。それに自由だって動物好きじゃない?」
「ふぇっ?」
あれっと自分そうだっけ?となんとも不思議な声を出してしまった。
「そうだよ!!昔、私らに秘密でさ路地裏に捨て犬だの猫だの豚もいたね。一人でお世話していたじゃん。その時だよ四人の中に秘密はなしを決めたのは!!。」
自由は困惑してしまった。
何で私が忘れていることを光が…。
確かに千春おばあちゃんの言ってたことだ。
何かきっかけが必要。
ますます早く千春おばあちゃんに会いたくなってきた。
自由はいてもたってもいられなくて。
「うんそうだったね。こんなとこで油売ってないで早く行こうか。」
「えっもう少し~」

ちょい待ち!!本当の目的を忘れてません?
でもまぁ少しならそのわがままに乗ってあげるか。
自由はそう思って
「わかったあと少しだけだよ。」と。

二人は気づいてなかった少し離れたビルの上で誰かが二人を見て何かを呟いていたのを…。