ちゃぽん。
水の音がする。
周りは土で出来た洞窟。
そこに一瞬はいた。
そして仮面男も。
此処は滝の裏。
そう一瞬はあのとき滝の裏に逃げたのだった。
一瞬が飛込んだあの位置こそが入り口だった。
だが少しでもずれると自由達四人のように落ちるそんな仕組みになっていた。
「やぁまた会えたね謎の仮面男。俺は言われた通りやった。さぁ教えてくれ本当の俺を。」
仮面男は低い声で
「はっきり言う。お前の本当の自分自身を教えることは出来ない。何故なら自由やその仲間と違って私はお前の本当の自分自身を無くした理由、過去を知らないからだ。」
一瞬は怒り狂い
「なんだと!!ふざけるな!!私が教えてやる。あのことをあの四人に伝えてくれたらなと!!」
仮面男は怪しい微笑を浮かべ
「私は確かにそう言ったが残念だったな。本当の自分自身は自分で見つける物だ。私は自由に自分は―――だと自覚させる。いや、本当の自分自身だ。そして私とともに邪魔な人間を…」
バキッ一瞬は仮面男を殴った。そして顔をしかめて言った。
「それは本当なのか?あの子がかっ?有り得ない…。嘘だろ?」
あははははっ仮面男は笑い
「信じるか否かはかってだが私はお前のように正直物なんでねぇ!!嘘は言わないんだよ!!証拠にあの子はなぁ…」
一瞬はその事実を聞いてびっくりして声が出なかった。
信じられないけど本当にそうなら…いつかあの子は起こすかもしれない…。



タタンタタン自由達一行は電車に乗って渚駅に向かっていた。
だが今日は何だか空気が重い。
みんなそれぞれが本当の自分を知るかもしれないから…。
渚駅に到着。
改札を出て右側には海が見える。
四人は引き込まれるように海を目指して歩いて行く。
誰も口を開かない。
ただ真っ直ぐ目的地を目指すだけ。
信号のないとこで四人が渡ろうとする。車にクラクションを鳴らされた。
だが四人はピクリと少し動いただけで完璧に無視している。
そして防波堤に着いた。
砂浜があるとこに移動すると小さな灯台の下に男がいるのが見えた。
すると空気が変わった。
突然風が強くなってきた。
四人は気になりその男を見た。その男は自由、光、降は見たことがある顔だった。
澄海が怪我をし入院している時にあったあの自由に近づいてきた変態おやじ。
と、突然「君達にはこの海が広いと思うか?それとも狭いと思うか?」
四人は立ち止まった。
「私は広いと思うがね。」
そう言って振り向くと一瞬にして二十歳位の男になった。
あのとき同様高速変装だ。
四人は少しびっくりした。
そして二十歳位の男は
「何も言いたくなければ言わなくて良い。この先の遊園地のメリーゴーランドに答えを教えてくれる者がいる。それをどうとらえるかでこの先の運命が変わるから気をつけな。あとは何も言わないよ。ただ見届けるだけさ。」
自由が
「ご忠告どうも。」
そう言うと今度四人は遊園地に向かって歩きだした。
二十歳位の男はその後姿を見届け
「まぁ上手くやれや。あの子猫ちゃんは放したしな。」
ともらした。

四人はもう今の自分自身の中がぐちゃぐちゃになっていた。
今日…答えが出る…
遊園地の入り口前に着き受付で四人分の入場券を買い遊園地の中に入った。

遊園地なのに人がいなかった。まぁこの理由も後でわかる。
そう考えパンフレットを見てメリーゴーランドの位置を確認し向かった。
そこには…
昔聞いたあのオルゴール。
そして回っているメリーゴーランド。
そして小さな女の子が立っていた。
ドクン。
自由の心に強く高鳴った。
小さな女の子ははっと息を飲み「約束道理みんな欠けることなくまた来てくれたんだね自由。」
小さな女の子は目を細めて優しい声で言った。
自由の体が少し震えた。
「円(まどか)…ちゃん」
どうしてだろう私はこの子を知ってる。
名前は波間円(なみままどか)

そこへ答えを教えてくれる者がきた。
仮面男。
その場のみんなが振り向いた。そして波間円は突然唇を噛み締め手をわなわなさせて殺気を放ち
「まさか…こんなとこで会うなんて…そのふざけた仮面忘れない!!あんたは私の…私の両親を殺した男!!」

仮面男は笑い
「そうさ私はお前の両親を殺した。だがその前にそこの四人に教えてやろう。自分自身であった時の過去をなぁ!!」
さぁ自由…私は楽しみだよ。
果たしてどんな答えを出してくれる。
他のやつらもショックを受けるだろう。
まぁ一番ショックを受けてもらわないといけないのは自由だがね。ククククク(笑)
お前は確実に近づいている。
まだ時間はかかるが…
早く早く早く此処へ来い。
そうしたらお前をどん底に落としてくれてやる。
そうして目を覚ますが良い。
お前に流れている血を。
私はそのためならなんでもしよう…。



ぽたぽた。
水の流れ落ちる音がする。
ガチャ手には手錠がかかっている。
周りを見回すと少し薄暗く明かりは外から射してくる日の光だけの部屋。
立ち上がり扉に近づこうとするも足にも手錠がついている。
地面に刺さっている鉄の棒に鎖がついておりそれと手錠が繋がっていた。
動けない。
私は会いたいのに。
それに動けたとしても此処は何処?――――。



確か今日辺り来るはずだ…



「光ちゅわ~ん♪ボツ(僕)だょぉ~。君の彼氏(自称)の輝昭だよ~ん♪」
う゛っ(-_-#)またかっ!!
あれから二週間がたって澄海が動けるまでに回復したので今日バスで山に行くためバス停に待ち合わせした。
光はそこへ向かう途中だったのだが…
思わぬ乱入者がいた。
風穴輝昭(かざあなてるあき)…光と同じクラスの同級生。
昨日、一昨日と待ち伏せしていたかのように現れるだった。
「あぁ~☆今日もプリティ☆☆君の瞳にチェックメイト!!」
あぁ~もぉ~勝手にやってればいい。
そう思っていたら後から肩を叩かれた。
振り向くと降だった。澄海もいた。
どうやら一緒に来たみたいだ。
「よっ!!光おはよう晸」
降が笑顔で言った。
光も笑顔で挨拶を返す。
それを見て風穴輝昭は動揺して「玖珠木ぃ!!ぼっボツの光ちゃんに触れるな!!」
と叫んだ。
それを聞いた澄海は
「あん?ぼつの光ちゃんだぁ?さっき見てたけど光は嫌がってたじゃないか。」
恐喝する。
風穴輝昭はパニックになり
「ほっ本間までぇ~!!ちっ違っ違う!!光ちゃんは照れてるんだ!!そうでしょう?光ちゃん!?」
光はシカとした。
「そそそそんなぁ~○Oo。.(T¬T)/~~~うわぁ~んママぁ~!!」
そう言って走り去っていった。三人は駅のバス停に向かって歩きだし
「どこまで面白いんだよあいつ…(゜Д゜)」
ここで澄海が一言。
降も
「ぼつだもんなぁ~(笑)光も気をつけなよあんな変なヤツに。」
「気をつけるも何も勝手について来るから困るよ。」
光が言う。
そのまま10分位歩くと駅に着いた。
バス停に向かってみると自由がもう待っていた。
自由はびっくりした
「あの遅刻魔の澄海が来てる!!」
そういえばそうだ。光は今気がついた。
そこで降が言った
「絶対遅刻すると思って僕あらかじめ病室に行ってみたらよ~コイツ爆睡しててさ、叩き起こしてもまたすぐに寝るから水ぶっかけてやったら起きたんだよ。」

そうかいつもそれが原因なのか。自由と光は澄海の遅刻の理由を悟った。
朝にとても弱いから。普通のレベルじゃないほどに。
とそこにちょうどバスがきた。
四人はバスに乗り込み一番後の五人がけの席に座った。

ブロロロロ…バスは少し車体を揺らしながら走っている。

「山なんて久しぶりだね。あ~わくわくしちゃう。」
光はうかれ気分でノリノリだった。
それとは逆に澄海はとても眠そうで顔をコクンコクンさせていた。
降はぼーっと外を眺めている。私は少し落ち着かなかった。
もしかしたら今日本当の自分自身が見つかるかもしれないから。
ぼーっと外を眺めていた降は心の中で。
【今僕はとても楽しい。だけどもし自分自身を知ったら僕は僕じゃなくなってこの楽しい毎日に気づかずに退屈と変わらないと思ってしまうかもしれない。それは嫌だな。幸せ、悲しみ、代わるがわるの波があってこそ人生なのかな?】
自由と同じく本当の自分自身について考えていた。
バスは終点の葛城山前に着いた。
四人はバスを降りると一本の上へ上へと続く道が待っていた。
四人は真っ直ぐ一本道に向かって歩いていった。
登っても登っても目の前は遥か先まで続いている。
大きな石や岩がたくさんあり斜面はどんどん急になっていく。
「長い。何処まで続いてるんだよ~。」
澄海は少し弱音をはいた。
「それは頂上までに決まってるじゃん♪」
光は相変わらずノリノリだった。
「デコボコ迷惑みたいな山だなぁ~鳥の鳴き声がたくさん聞こえる。まるで歌ってるみたいだ。」
降は山を楽しんでいた。
そして私は小さな看板を見つけた。
【一km先休憩所】
「あと一km先休憩所だって。もう少し頑張ろう。」
その言葉から誰も話さなくなった。
沈黙が続く。
そしてやっとの思いで休憩所にたどり着いた。
「着いたぁ~」澄海が喜びの声を上げる。
木のベンチに腰かけ自動販売機で飲み物を買い飲んだ。
するとそこへ。
降と光がはっとする。
そして小声で降が自由と澄海に「あの銀髪の人…一瞬さんだ。」
自由と澄海は目を見開き銀髪の男性一瞬さんをがん見してしまった。
気がつくと走って何処かへ去ろうとしている。
「この前のように逃がさない!!」
光は立ち上がり走った。
それに続けて自由、降、澄海も少し遅れて走り始めた。
銀髪の男性は登山コースを外れ立ち入り禁止ロープを飛び越える。
そんなのおかまいなしに四人はロープを飛び越え追う。
そして大きな石に囲まれた滝の前にきた。
銀髪の男性はそこで止まった。四人も止まる。
自由が口を開きかけたがあっちのほうが先だった。
「俺は今日お前らが此処に来る話を聞いた。俺は俺に似てるお前らと話がしたかったからだ。」
吉井一瞬(よしいかずき)は相変わらずの無表情で話かけてきた。
さっき話せなかった自由が言う「私もあなたと話をしたかった。ちょうど良かった。一瞬さんあなたはどうして家へ戻らないの?千春おばあちゃん寂しい思いしてますよ?」
一瞬はフッと鼻で笑った。
「あの家には帰らない。もうあの家には用はないから。」
光が言う。
「どうして?あなたは愛されているのに?千春おばあちゃんはずっとずっとあなたの帰りを待ってるんだよ!!」
「悲しみを避けて笑うのは簡単だ。だがそれは人を傷つけ、自分を守る弱さ。最後には虚(むな)しさを残しやがて自分が傷つくそんなのはごめんだね。」
一瞬はサラッと言った。
澄海も会話に入り
「確に。人を愛したら不安を知る。だがそれはこの山のようにでこぼこと迷い続けてるだけだ!!近道なんてない。それに真っ直ぐ自分の言葉が届かなかった時、ふいに無口になるときだってあるけど…俺はいつか何処かで感じあえると信じてる。」
そうだ…自由にもいつか…
「もしそうだったらの話だね。俺の本題はそこじゃない。良いこと教えてやるよ。海の近くにある遊園地のメリーゴーランド。」そう言って立ち去ろうとするそこですかさず降が言う。
「意味わかんねぇよ。それに何でいつも逃げる!?」
無視し走り始めた。
四人はまた追う。
だが驚いたことに一瞬は滝の中に飛込んだ。
四人はためらったが飛込んだ。
だが一瞬の姿が見えない。
何故?
そのまま四人は下へと流されていく。
焦って岸に一目散に泳ぐ。
「一瞬さん何処に消えちゃったんだろ?」
自由が疑問に思う。
「さぁな」
澄海が返す。
とりあえず四人は登山コースに戻り頂上を目指すことにした。」
「一体なんなんだろう海の近くの遊園地のメリーゴーランドって?」
光が思い返す。
「そこに私は本当の自分自身の答えがあるんだと思うよ。」
自由がはっきりと言った。
どんな結果がこの先待っているのかな。
女子二人は話しているのに男性二人は黙りこくっている。
長い長い急な坂道と思っていたのにあっさりと頂上に着いた。
さっきまで良い天気だったのに頂上は雲っていて少し霧が発生していた。
周りの風景が霧に包まれ、ちらりほらりとたまに人が見える。
そのなかに私達が知っている人がいた。
正直今とても会いたくなかった。
千春おばあちゃんだ。
シートをしきそこに正座をして座っていた。
「おやまぁ。こんな所でお会いするなんて。さぁさ疲れたでしょうそこに座って。」
千春おばあちゃんは最初に会った時と同じままだ。
四人も同じくシートに座る。
「千春おばあちゃんいつからここに来てるのですか?ちょっとばかり千春おばあちゃんにはこの山は辛いと思うのですが?」
光が訪ねた。
千春おばあちゃんはタッパをトートバッグからだしながら
「朝からなのよ。今日はね記念日だからねぇ。」
自由がおそるおそる聞いてみた。「何のですか?」
大体見当はついていたけどね。
「一瞬が初めて誰の手も借りずにこの山を登ったんだよ。」
やっぱり一瞬さん関係だったか。そしてふいにタッパに入っていたいなり寿司をお皿に分ける手を止めちょっと残念そうに
「今日なら一瞬に会えると思ったんだけどね。でもやっぱり会えなかった…。毎年この山にこの日来てるんだけどねぇ。」
澄海と降が少し相談し自由と光の了承を得て澄海から一瞬さんのことについて話した。
千春おばあちゃんは安心したようで悲しい顔をして
「そうかい一瞬は生きているんだね。それを聞いてホッとした。でも私の願いは叶わなかったんだね。それが少し悲しいわね。」
そこで降が
「だから僕達から約束します。必ず笑顔になった一瞬さんを連れて帰ると。」
千春おばあちゃんは微笑み
「あなた達なら信用できる。初めて会った時からねぇー。まるで一瞬みたいだった…。では早速明日海の近くの遊園地に行ってみると良い。きっと本当の自分自身が見つかるかもしれないからね。一瞬は昔から正直な子だから。嘘っぱちなんかは言わないよぉ~。」
私達の答えは
「勿論!!」
だ。
さっきお皿に分けていたいなり寿司を手渡され一口かじる。
とても真心が込もっていて懐かしい感じがする。
昔一瞬さんの大好物だったそうだ。
他にもきゅうりの漬物やカリカリのコロッケなど周りの景色は見れなかったが山の美味しい水と空気と一緒に味わった。
そして帰りに千春おばあちゃんは一言。
「季節は流れても
誰かが忘れずに
心を巡り合わせてる・・・・」
そうなんだ。
私は約束したんだ。あの場所で。
まわるメリーゴーランドから流れるオルゴール。

思いだした。
でも誰とだかはわからない。
女なのか男なのか。
年上なのか年下なのか。
でもこれなら確実に言えると思うんだ。
いつでも私の心に巡り合わせている。
私が私に戻るために。


いや…私は…。
「わぁー!!綺麗。」
私と光は船の甲板で海を眺めていた。
と、後から誰かがきた。
光の両親だ。
そう光の家は父親は資産家、母親はアイドルで光はお嬢様。
私は光の両親からこの船へのお誘いを受けたのでありがたく行かせてもらったのだった。
忙しいはずなのに家族のためならとこうやって時間を作り家族と一緒にいれる光がうらやましかった。
私の家はお母さんはいつも出張で何処かへ出稼ぎに行き、帰ってくるのは夜遅く。
何日も帰ってこないこともたびたびある。
お父さんは…わからないお母さんに聞いても何も言ってくれないから…。
離婚したのかそれとも亡くなったのか全く検討がつかない。
私は離婚したんだと自分に思い込ませた。
だってもうひとつのほうだと思うと悲しくなる。
離婚なら…いつか会えるかもしれないしね…
受け入れる受け入れないは別として。
家族みんながそろう時間…どんな感じなのかな?
自由は光が楽しそうに両親と話しているのを見てなんだか少し切なくなった。
「自由ちゃん。」
わわわっ!!いきなり話かけられ自由はびっくりして思わず声を出してしまった。
「あはははっ自由ちゃん本当に面白い子だね。私達も安心できるわ。いつもいつも光がお世話になって。今日はゆっくりとしていってね。」
光の母親が言った。
自由は「はい!!ありがとうございます。」
とお辞儀をした。
私は光の母親が苦手だった。
礼儀に凄く厳しい人だったからだ。
だから光の母親がいなくなるとちょっとホッとする。
私が胸をなでおろした時光が隣で何やら言い出した。
「頬に当たる風が私の心の傷を少しずつ×②消してゆく。君の声が遠くのようで近くに聞こえた。見失った時は約束の場所へ、そんなには遠くないから。もう一度この場所から歩き始めよう。誰もが背を向ける、そんな冷たい時もあるだろう。でもそんな私に手を伸ばしてくれた、あなたの腕の暖かさ。さぁ、愛を解き放って、全て解き放って!!見上げる空は果てしなく永遠(とわ)に広がってる。しぼみかけてた、忘れていた、記憶がまたあの場所で目を覚ますはず。泣いたり怒ったりそして笑ったり誰かを愛したり愛されたりしてるいつも。心の花は咲きそして散っていくその繰り返しが人生だけど絶対明日がやってくる。」
光!!いきなし何?でもなんか心に染みるなぁ~
私があんぐりしていると光がさっきの詞のような物の説明をした。
「ごめんごめんさっきのはね未来の詞って言ってね未来を占ってそれが詞になって答えがでるの。昨日私と自由をその未来の詞で占ったら同じだったの!!凄いと思わない!?何回やっても同じだったんだよ!!」
自由はへぇーと感心してしまった。
同じだったのも凄いけどそんな長い詞を昨日見ただけで覚えてしまった光も凄いと。
「未来の詞ねぇ~それが本当に私達の未来を示してるなら凄いね。」
この時私はそんなこと言ったけど、この未来の詞は合っていたんだろうね。
今の私と光の現状況は愛を解き放ち、全て解き放って辺りかな?
そんな話で話こんでいると、父親が夕食だと呼びにきた。
二人は、はぁ~いと返事を返し走り父親の元へ向かった。


夕食。
大きな円型のテーブルでちょっと恥ずかしかった。
しかもお金持ちのお偉いさんと。
そのお偉いさんに招待されたお客さんも結構いた。
その時は知りもしなかった。澄海と降がその中にいたことを。
挨拶が終わり祝杯が挙げられた。
料理を食べる。
どれもとても美味しい。
数分しかたっていないのに周りはお酒が入りとても盛り上がっていた。
お皿を重ねてピラミットを作る人。
マイクを持ってきて歌う人。
セレブとは思えないくらい。
だけどこの場だからできるんだろうね。海の上で一般の人なんていないからさ。
光の両親は結構多くの人からの信頼が厚い。
だから安心してここまでやれる…。
でも自由はセレブのイメージが崩れてがっかりしていた。
夕食後まだ通常では上映されていない映画の上映会が始まった。
光の母親がヒロインの恋愛物。
私はとても感動した。私もこんな恋をしてみたいな~。

そしてこの日の予定は終わり私と光はベットに入った。
明日のことなんて思わずに…。


朝
船に慣れていない私は酔っていた。
それに比べて光はピンピンしている。
朝食も昨日と同じ円型のテーブルで済ませ私と光は甲板に出て遊んだ。
船は一旦止まり今日は海中散歩をする予定になっていた。
ウェットスーツに着替えてボートに乗り換えいざ海へ。
ザバーン!!
海へ飛込む。
じーんと体に冷たい感覚が行き渡る。
ゴーグルをし酸素ボンベをつける。
すもぐりや海の生物の説明を受け早速すもぐりが開始。
潜ると何匹かの魚が出迎えてくれた。
海の世界はとても美しくて幻想的だった。
ゆらゆらと楽しそうに踊っている海草。
青々として永遠に広がる水の世界。
そして私達が見たことのない海を見ることができた。
小魚の群れが私達の横を通った。
銀色に輝く小魚の群れがまるでアーチを描くように泳いでいる。
海中散歩はとても楽しかった。
光は船に戻ってからも目を光らせて喜んでいた。
海中散歩後だというのに光は遊びたいと言い出した。
疲れと言う物を知らないのかと思う位に。
私は差ほど疲れていなかったので甲板にでてフリスビーで遊んだ。
だが途中でフリスビーが割れてしまった。
私と光は他に遊ぶ物がないかと船の中に探しにいった。
その間に起きっぱなしだったフリスビーにお客さんがつまづいた。
フリスビーが中に舞う。
そして風に流され海に落ちた。
カタン。ガコン!!ガタガタブスブス…
何かの音がした。
前進していた船が突然止まってしまった。
船員に緊張が走った。
乗客も不安の色を隠せない。
ドーン!!バキメキメキ船の何処かで亀裂が入ったようだ。
これ以上は危険だと救命ボートへの移動がアナウンスされた。
乗客が雪崩のように救命ボートへ走っていく。
私と光も向かう。
だが事件は起こった。
さっきまで良い天気だったのに突然海が荒れだした。
そしてみんな乗ったと勘違いした船員は救命ボートをだしてしまったのだ。
つまり私と光は船に取り残された。
私達はパニックに陥った。
どうすれば良いのかわからない。
船はメキメキとさっきよりも大きな音を立てている。
とりあえず私と光は走った。
何処に何があるのかわからないのでやみくもに走りどうやってか、何とかなりそうな物を探そうとした。
だがそんなような物が見つからない。
水が入ってきた。
走り続けた結果あの円型のテーブルの部屋に着いた。
そこで…澄海と降にあった。

だが様子がおかしいテーブルから足だけがでている。私と光はおそるおそる近づき話かけた。
「こんな所で何をしてるの?あなた達も置いてていかれたの?」自由が聞いてみた。
すると円型のテーブルからひょこっと澄海が顔をだした。
そして…
「そうだよ。俺らも置いていかれたんだ。それで机の下をみたら凄い物を見つけたよ。」
自由と光はテーブルの下にもぐりこみテーブルの裏を見ると…カチッカチッと音をたてている爆弾…。
「それだけじゃないよ。他の所にも仕掛けられてた。この船を探索してたら見つけた。今俺のもう一人の友達が何処が安全か探索してるからもうすぐで帰ってくると思うよ。」
言った通り一分足らずで降がきた。
「君達も取り残されのか…。親は最低だな。子供を残してのこのこと逃げていく。そんなことはどうでも良いや。すぎたことだし。もう安全なとこなんてこの船にはない。それに加えて爆弾はあと11分で爆弾…もう僕の人生終わったかな…。」
降はぼんやりとしている。人生を振り替えっているの?。
澄海もそうかもとあきらめていた。
そして私も…だってもう水が此処まで入ってきてる…。
だが突然
「待って!!確かパパが前にやっていたヨットがあるかも!!」
えっΣ(゜Д゜)本当?がばっと起き上がった。
「そんな物探索しててなかったぜ。」
澄海言う。
「違うの。折り畳み式でマスト倉庫にしまってあるから普通の人は知っているはずもないわ。」
「それ何処!?もし本当にあるのなら僕ヨット乗ったことあるよ?」
降が光の顔を除きこんだ。
「この船の正面のマストの裏。」
よし早速…
ガタン。ガシャーン。ドバドバ…
船が大きく揺れて水が一気に入ってきた。
四人は急いで上の甲板へと向かって走って行く。
だが光が 溢れた水の勢いに捕まり水に飲まれてしまった。
「光!!」
自由が手を伸ばすも届かず、私は澄海、降と一緒に甲板へと押し出されてしまった。
ゴホッゴホッ!!少し水を飲んでしまった。
でも光はきっともっと…
ザー大振りの雨が降り始め、さらに海は荒れている。
自由は二人に言った。
「お願い二人とも力を貸して!!光を助けなきゃ!!」
澄海が流す
「君は今の状況わかってる?今はもうそれどころじゃないんだよ?」
降も
「もう無理だろう…中はもう水で溢れてる。あきらめな。」
自由は
「光のおかげでさっきあきらめかけてた中希望をくれたんだよ!!それに私光を失いたくない!!」
「助けるなら勝手にしてくれ。」言われた。
どっちに言われたかは覚えていなかったけどとても冷たくて心に刺さる言葉だった。
私は落ちていた空のペットボトルを拾い円型のテーブルの部屋への階段を降りて行く。「最低!!あいつらだって親達と同じようなもんじゃない!!」と、後から…
降だ。
さっきはあんな態度だったけどやっぱり心配なんだ…彼も。降の話によると澄海はヨットを組み立ててから来るらしい。
さっき拾ったペットボトルに空気を入れ、私は大きく息を吸い水が溢れてるとこから潜った。降も続く。
自由は賢明に光を探す。
いた!!
大きな円型テーブルに右半分が挟まれてしまっていた。
裏に設置されていた爆弾は水の影響であと8分の所で止まっていた。
これでひとつの不安要素がなくなった気がした。
私は光の口元にペットボトルの口をあてた。
そして円型テーブルをどかそうとするが動きそうで動かない。
そこで澄海がきた。
澄海が加わりもう一度力を込めると円型テーブルを退かすことが出来た。
だが問題は息がもうあまりもたない。
光を引きながらだとさらに辛い…。
降も苦しそうだ。
そして突然。本当に一瞬の出来事だった。
誰かの唇が私の唇にかすった。そして少し空気をもらった。
誰?…。
そして私と降は何かに一気に引っ張られた。


ガハッゴホッゴホッゴホッゴホッさっきよりも沢山咳をした。
苦しかったしさっきのは一体…ハァハァ激しく息がきれている。気がつくと隣に澄海が…。降も光も無事だった。
が、安心はできなかった大きな竜巻が少し遠くで発生していた。
それにこの船は沈み始めていた。
ヨットに向かって走りヨットを海に放りこんで、四人はヨットに飛び乗った。船は沈みながら海流に流され竜巻に突っ込んでいった。そのときスクリューに引っ掛かっていた物があった。フリスビーと何か大きな荷物。
ゴクッ。唾を飲んだ。フリスビーがこの事件を犯していたなんて…。
ヨットは降が風を掴み上手く操作していた。
荒れた海をもろともせずに。



私達は何処かの港になんとかたどり着いた。


そして数日後あの船のスクリューから爆弾がみつかり、爆弾魔が乗っていたことが判明した。それはあのどんちゃん騒ぎをしていたセレブが犯人で逮捕された。
どうやら船が沈んだのはあのフリスビーのせいではなくこのセレブが仕掛けた小型で防水製の爆弾だった。どうやら金銭トラブルが光の両親とあったらしい。セレブなのにけちけちしてるよ…。
そしてあのフリスビーが原因じゃなくて良かった。

私達は…このことがあったから出会えた。
死ぬかもしれなかったけどなんだか良かった。
自由は船を眺めにっこり微笑んだ。
そして未来の詞を口にし、何処へか歩いていった。



そうだ僕はあの時君に惚れてしまったんだ…。