それは7年前の話。
お前達が小学6年生の時
光の両親が経営していたこの遊園地での話。
四人は光にこの遊園地に招待された。
だが自由はあまりに広くて迷ってしまった。
「あれ?みんな何処へいっちゃったんだろ?」
周りを見回しても知らない人しかいない。
パンフレットを見ると展望台エリアがあったのでそこから探すことにした。
展望台エリアはとても縦長い建物で見つけるのは結構絶やすかった。
展望台エリアを目指しながらも三人がいるかもしれないときょろきょろと探すが見つからない。
気がつくと展望台へと続く階段を登っていた。
知らぬ間に展望台エリアに入っていたようだ。
だが自由は気づいてはいなかった。
階段の入り口に【双眼鏡故障につき立ち入り禁止】
の看板が置いてあったことを。
カツンカツンそんなことも知らずのんきに自由は階段を登り展望台へ向かっていた。
そして展望台に着くと人がいないことにやっと気がついた。
不思議に思い、またきた階段を戻ろうとすると、ふいにガチャンと鉄の柵の音が聞こえた。
そちらを見ると小さな女の子が柵(さく)を跨(また)ぎ展望台から地に向かって飛び降りようとしていた。
自由はそれはヤバイと走り女の子の腕を掴み
「待って!!早まらないで!!死ぬ必要なんてないよ!!」
女の子は顔から涙を流しては落とし
「私はもう生きている意味がないの!!両親は殺されそしてみんな私からは離れていく!!そして暗い中を毎日いるだけの存在…。こんなこと一度もなかったのに!!」
自由は叫び
「私がいるじゃない!!私があなたに近づいてるじゃない!!人が生きている意味なんてたくさんあるよ!!」
女の子は泣きに泣いた。
そして
「あなたはこんな私でも受け入れてくれるんですか!?」
自由は笑顔で「当たり前だよ。人はこうして初めて会ってそしてお互いに心を開いていくものだよ。」
女の子は展望台の方に戻ってきた。
「私波間円って言うの。」
「円。かわいい名前だね。私は金井自由。よろしくね円。」
円は少しためらって
「こちらこそよろしくね自由。でもどうして自由は此処に入ってきたの?立ち入り禁止の看板があったのに?」
自由はここで初めて気がついた。頭ををかきながら恥ずかしそうに
「そうだったのか!?どうりで人がいないと思った。そうだ!!円に紹介したいんだ私の友達三人。ちょっと来て!」
そう言って自由は下への階段を降りて行った。
円も走りついて行く。
人の暖かい心。淋しい心に深く優しさ胸に染みる。
円はさっきとうって変わって自由に心を開いていた。
その頃光、澄海、降は自由を探し疲れたので近くにあったカフェテラスで休憩していた。
「あ゛あ゛も゛ぉ~何処行ったんだあいつは!!」
澄海が怒りの声をあげた。
降も
「あの年で迷子かよ。お願いだからアナウンスでの呼び出しは勘弁してくれよ恥ずかしくてしょうがない。」
光は自由が来なそうな雰囲気だったので
「私ちょっとトイレ行ってくるね。」
そう言って席を立った。
光はお化け屋敷の隣にあったトイレで用をたし戻ろうとした瞬間お化け屋敷の茂みに口を抑えられ引きずり込まれた。
「んん…。」
助けを呼ぼうと必死に声を出そうとする。
すると静かに
「突然すみません。お嬢様に大切なお話があります。」
と。
この声…光は黙り振り返った。その人は光の家で執事をしている黒木結女(くろきゆめ)さんだった。
女執事だ。
光は
「大切なお話って…」
結女さんは
「はい。落ち着いて、心して聞いて下さい。」
光は何だか悲しい空気を感じ目をうるうるさせている。
「さっきですねお茶を下げようと奥様と旦那様の部屋へ入ろうとしたらですね…聞いてしまったのです。お嬢様…あなたはですね…」
結女さんは一回言葉を切って。
「本当の子ではないんです…。」
えっ…(ノ_・゛)
じわっ涙が出てきた。
信じられないよ…(泣)
「まだ続きがあるんです。そして今回あなたのお婿さんを奥様と旦那様は決めていらっしゃいました。今日の夜告げようと決めておられですね、でも私はお嬢様が自分で決める権利があるはずだと思うんです。自分の幸せだからです。だけど奥様と旦那様は会って話したこともない人のお嫁さんにお嬢様を無理矢理させようとしてるんです資産目的で。」
光が泣き泣き
「じゃあ私の本当のお父さんとお母さんは…。」
結女さんは首を横に振り
「残念ながらわかりません。だけど奥様と旦那様は権力でねじふせたと話していました。今の所生死は不明。場所も不明です。」
光は涙を流しながらうつ向き
「私…大好きだったのにお父さん。お母さん。私の大切な物を奪い取っていたなんて…」
結女さんは背中を叩きなだめながら言った。
「だからこの準備した着ぐるみを着てここから出て下さい。自由さん達には私から言っておきますので。はっきり言って奥様と旦那様はお嬢様を殺そうとするかもしれません。証拠隠滅のために…」
光は少し考えさせて…と言ったっきり体育座りし考えこんだ。
結女さんは見守る事しか出来ず唇を噛んだ。
「いたぁぁぁ!!!」
自由はあちこち無駄に歩きやっとの思いで澄海と降を見つけた。
澄海と降はああっ!!と口を大きくあけ
「お前結構探したんだぞ!!うん?その子は?」
自由は事情を話した。
「成程な。」
降は納得の声をあげた。
自由が聞いた。
「あれ?光は?」
澄海が冷や汗をかいて
「さっきトイレとか言ってたけど遅いな?おいおい今度は光が迷子か?」
「そんなはずはないでしょ。」 降があっさりと言った。
といきなり
ドカーン!!
複数の場所で爆発が起きた。
お客さんはパニックになる。
続けてまた爆発音が何回も響く。
結女さんは
「しまった!!監視されていたのか!!お嬢様が事実を知ったことがバレてしまった!!お嬢様早く決断を!!」
お客さんが出口に向かって逃げ惑う。
自由達も危険を感じ出口に向かおうとすると四十代前半位の男が止めた。
「なぜ逃げるのだ。楽しくなってきたではないか。自由」
「楽しいだと!!人が逃げ惑い死ぬかもしれない状態なんだぞ!!」澄海が吠える。
「あぁ楽しいね。体じゅうが血にまみれ悲鳴をあげる。これ以上楽しい物はない。そうだろ…自由よ。」
何を言っているの…意味がわからない…。
「なぜわからない!!お前は私の娘だ!!そう殺人機の娘なんだよ!!!」
自由は頭の中がぐしゃぐしゃになった。
三人は驚きの表情を隠せない。とどめのように男は自由に何やら手渡し滲み込ませるように囁(ささや)いた。
「お前は殺人機だ。自分の思ったように動け!!お前は自由だ何をしても良い。だから私はそう名付けた。」
暗示のように頭の中で何回も繰り返される。ブツン。自由の中で何かが切れた。
自由はクルッと振り返った。
澄海は自由の目の中に自分の意識が無いことに気がついた瞬間。目が死んでる…。
グサッ。
お腹に何かが刺さった。
自由…お前…どうして…
さっき男が手渡した物は包丁だった。
なんで…あんな…誘いの言葉なんかに…。
澄海は倒れた。
降と円は本当に現実なのかを疑った。
だがどう考えても現実だ。
円はそう受け止め
「リセットしてはいけない!!自由のままでいて。失わないで!!」
これ以上ない位高い叫び声で言った。
男は本当に楽しそうに笑い
「何を言っても無駄だ!!それが本性なのだからな!!本当の自分自身なんだよ!!!」
降はキレた。
「今なんった!!取り消せ!!それで二度と言うな!!自由はそんなやつなんかじゃねぇ!!」
男は
「なんとでも言うが良い。事実なのだから変えることは出来ないがね!!」
そう言ってあははははは!!!と笑っている。
降はこんな自由を見たくないと目をつぶり
「ごめん自由。」
と言って頭を強く肘打ちが入れた。
自由は脳まで衝撃がいったのかその場で倒れた。
降と円は立ち尽くした。
一方光は着ぐるみを着て出口に向かって走っていた。
だが爆発で出口が塞がれていた。
光は着ぐるみを着たまま座りこみ
「どうすれば良いかもう…わからないよ!!!(泣叫)」
そしてまたかってに涙が流れてきた。
【…………俺は騙されていたのか…お前のあの…笑顔は本物ではなかったのか…俺はあの笑顔が…とても大好きだった…のに…お前が…好き…なのに…それなのに………】
澄海は微かな意識の中で思っていた。
だがそれは果たして正確な判断か?そうやって簡単に自由を信じないのか?
今の澄海に判断は出来なかった。
ピィ――ザァ――――
男の持っていた小型の無線機が音をたてた。
男は音を拾い
「あぁ…はいはい…本当に良いのか…わかった了解した。」
男は無線の電源を着ると出口に向かって走って行った。
降も追って行ったが円は動けなかった。
ただただぼーぜんと自由と澄海を見ていた。
すると自由の体が少しピクリと動いた。
円は少し脅えて後に下がった。
私…殺されるかもしれない…そう思ったからだ。
自由は体をゆっくり起こして
「ありがとう。降。私の手で大切な物を壊してしまうとこだったよ…」円は振るえた声で訪ねた。
「自由平気なの?」
自由は笑い
「ありがとう。円の声も聞こえたよ。」
笑った。だけど円にはその笑いが怖かった。
最初に会った時と違う感じがしたからだ。
絈♪𣳾眴𣳾♪絈眴~♪⊿⊿眴絈オルゴールが聞こえる。
メリーゴーランドが誰もいないのに回っている。
ふいに自由が
「円…」
と呼んだ。
私は
「何?」
と恐れながらも聞いた。
「今日はこんなことになってごめん。今度また来る時は私の友達四人で来るよ。もし私が完璧に殺人機にもうなっているとしたらいずれその三人を殺してる。だから約束して。私は自分自身にお別れ…を言うけどまたこのメリーゴーランドの前で会おう。会ったその時こそまた本当の自分自身がわかるように!!円…あなたにいてもらいたいの…。絶望にいたあなたが…あなたの存在は本当の私を思い出す鍵として…」
円は自分の存在があったことを嬉しく思い止まらない涙をそのままにうなづき
「約束だよ。」
とだけ言った。
なんて速さだ…男を追い掛ける降は思った。
そして座り込むピンクの物体が見えた。
うさぎの着ぐるみを着た光だった。
男は折り畳み式の鉄の棒を組み立て襲いかかった。
あまりの強さに着ぐるみが脱げる。
降はびっくりした。
なんで光が着ぐるみの中に…。
きゃあ!!光が着ぐるみの中から吹っ飛ぶ。
男は銃も取りだし発泡した。
ザザッ降が光の前に立ち、身代わりとなった。
ぐぁっ!!降は倒れそうになる。だが立ち直り
「光は死なせない!!」
と叫んだ。
「降…なんで…自分が危ないよ!!」
「そんなもん知るか!!僕はあのとき君に惚れたんだ。君を絶対に何に関しても誰にも渡さない!!恋だろうと命だろうと!!」
光は降を見つめ
「降…」
男はあはははははと笑い
「見事だ!!体験してみるか?死を!!」
降は叫んだ!!
「逃げろ光!!出来るだけ遠くに逃げるんだ!!
光は首を横に振る。
「早くしろ!!」
と降は怒鳴った。
光は降の勇気を無駄にしてはいけないと走った。
【降…私ね…あの船で助けてくれたときとてもかっこ良くって実は私も惚れていたの…】
降はにこっと笑うと男に向かっていった。
うぁぁっ!!降は自分の出せるだけの力をだした。
だが銃と鉄パイプを持っている男には素手である降はかなわなかった。
ドカーンまた爆発音が響く。
光は振り返った。
あっちはさっき降がいた場所…。
光は叫んだ。
「もう嫌だ!!やめて!!やめてぇぇ!!」
玖珠木降は死んだ…。