長渕剛 『激愛』
智内兄助画伯 『花雛』舌を噛み切った からみ合う唇の中
二人はよじれ合い 激しく揺れていた
震える 流れる 青白い肌
ひきよせても ひきよせても 届かない
溶けてゆく無数の汗 心と躰を流れてゆけ
愛は潜水艇のように 苦しみをもぐり
激烈な痛みが こめかみを突き抜けた
時は過ぎ 夜を越え凍りつく
愛の海 深く深く 沈みゆく
堕ちてゆく憎しみに 息が絶えるまで俺を抱け
俺たちは互いに 愛を戦った
焼け焦げた魂は 灰色に立ち昇り
とぼとぼ とぼとぼ 死んでゆく
こわれた破片は 風に舞う
ひき潮のうねりの中 ふたつの手首よ赤く染まれ
かすかに触れ合う力果てた指先
導かれるように 静かに目を閉じた
ゆるやかな呼吸は 首筋をすべり
衰弱の闇へと 色あせてゆく
果てしない体気の中 朽ち果てるまで重なってゆけ
作詞 長渕剛
【 あとがき 】
智内兄助画伯の『花雛』
画伯の絵画は、耽美な中に幻想さを持ち合わせ暗く澱んだ画風が特徴です。こちらに紹介した『花雛』は、特に秀逸な一作品であります。
サスペンス・ホラー小説の表紙イラストを手がける事も多く、作風からイマジネーションする世界は、まさに小説の世界感とlinkし読者のそれをより一層掻き立てます。
表紙イラストに魅せられて、何冊この手の小説を手に取ったか。それを考えると角川文庫は天晴れです。京極夏彦の表紙を多く手がける辰巳四郎画伯よりかは、杉原一文画伯の絵が好きです。
このような動機で数多く手にしたホラー・サスペンスの類の小説は数知れず一時夢中になって読み耽りました。
とまれ、話を戻すと此の『花雛』の画像を元に詩か短編小説かにして活用してみたいと思っていました。そんな折、ふと今日、長渕剛の『激愛』という歌を思いだしました。いつだったか耳にしたことがあり、その過激な歌詞の内容に驚くも感嘆していました。
数年前、netでその歌の話をすると知ってる方が居て曲名を教えてくれました。
男女の心中を背景に歌った内容ですが、まさに『花雛』にぴったりのイメージ。幻想的で激しく、エロティシズムをかもし出してる歌、『激愛』。
私の下手な愚作品で飾るより長渕剛が歌うこの歌で、この絵を鑑賞した方がより楽しめると思い、掲載しました。

