青春という生き物は、皆が追いかけるわりにその形は見えてこない。

捕まえたと思っても、楽しいことだけじゃない青春。その時はこれが青春?と思っていても、時が経てばそれが青春だったことに気づく。

高校野球をやっていてそれなりに苦労した。

辛い練習の中唯一の楽しみは毎日部活帰りにコンビニに行き、スイーツやホットスナックを食べながら、仲間と話す事だ。

当時は、何も思わなかったが今思い返せばあのコンビニの街頭の下で過ごした時間は青春そのものだったと思う。

それが青春?と言われると情けなくなるが

私にとっては数少ない青春だ。


小学生の時、夏休みに入ると毎朝朝練があった

朝6時に小学生に行き、コーチがボールを投げてひたすら打って、守ってを6年間繰り返していた。

家に帰るのは7時半ぐらいになる。

真っ先にお風呂に入り、ご飯を食べているとテレビからサイレンが聞こえる。

野球が大好きだった私にはまさに夢の舞台。

甲子園。TVを出してるように見ていた。

冷蔵庫からカルピスの原液を出して、母に見つからないように配分を多くする。

氷を多く入れてキンキンに冷えたカルピスを作る。

カルピスを片手に見たあの景色は間違いなく青春である。

自分で少なからずお金を稼ぐように原液カルピスの配分を多くしたとて、幸せな気持ちになれない。

母が亡くなり、誰もいない部屋で今日も隠れながらカルピスを注ぐ。