『拳突き上げ見上げた掲示板

駅前でアイツは指名手配の拳銃Bang!』


トオルは会場の電光掲示板を眺めながら少しばかり未来を占っていた。


『ありえない時刻とありえない時効・・・か。』



トオルは半ば力尽きながら淳へのメッセージを刻み込んでいた。



『野見山、お前はとんだフライング野郎だな。』



淳の飛び込みシーンを想像していたトオルの頭の中で、途中から淳の姿が野見山に置き換わっていた。



完璧なフライングで飛び込んだ野見山は、笛が鳴ろうが、


5メートルフラッグが水面に下ろされて首を引っ掛けられようが


泳ぎ続けた。


もちろん一発退場だ。



トオルはクスクス笑っていた。



位置についての状態で拳銃をいじっている野見山の姿や、


拳銃を持ちながら泳ぐ姿までもが


頭に浮かんだ。


野見山はやはり、そこでも審判を撃ってしまった。



『マジくだらねぇよ・・・。』



時刻は約束の6時に迫っていた。



光恵とトオルの周辺にトオルの気配は無かった。


2人の会話はほとんど無くなっていた。



『おい、電話しねぇのかよ?』


野見山が口火を切った。