『チャカって…何?知らないわよ。』

私は家を荒らされるのが嫌だった。



野見山は知らん振りだ。ダンマリを決め込み、異常な捜索を始めた。


殺人犯が警察のガサ入れのように私の家を散らかして行った。


『おい、さっさと出せや!淳から預かった拳銃出せや!』


私は胸倉を掴まれ、体を揺すられた。力の抜けてる私の脳が揺らされた。


その脳みそで、淳から預かった物があったかどうかを振り返ってみた。


思い当たる節がない。



『あのテレビで捕まった子が持ってたアレじゃないの?私わからないよ。

大体、銃を持ってどうするのよ?』


『あのクスブリ野郎が何故俺の拳銃を持っている?約束が違いすぎるぜ。出頭だバカヤロウ。』


『もういいじゃない、あの子が捕まったんだから。もう、よそうよ・・・。』


『いいわけねー。淳はどこだ?電話しろ。』


電話をかけた。


すぐに携帯は野見山に奪われた。


『もしもし、野見山だ。お前どこにいる?』


『おう久しぶりだな野見山、大会は知っての通り好成績で幕を閉じた。』


『おい、あのチャカはどこよ?』


『ははは。いきなりそれか。あーそう、今日はトオル君の誕生日なんだ。』


『いい加減にしろや淳。ど、こ、だ?』


『その家の女のバッグを開けてみろ。入ってるよ。』


『それにしてもクスブリの野郎・・・、一体どうなってやがる?』


『俺にもわからん。』


『なんだと?』


野見山バッグをあさり、布を解いた。


『コレは紛れもなく俺の銃だぜ淳。』


『だよな。情報がだだ漏れかもしれねーぞ野見山。お前の出頭など想定済みってわけだ。

お前に拳銃を手渡した泊がクスブリ使ったに違いない。拳銃の出所も型式しってんのもアイツだろ。

ってかよ、光恵だ。あの女も、間違いねぇな。』


『光恵さんが・・・。』


『お前の場合、あの女になら漏れまくるだろ、バカが。 しかしよぉ、クスブリが泊にナビクとは思えねぇがな。

トオルの死亡が確認できない以上、お前はまだ解放されないみたいだな。』



『トオルはまだ・・・。』


『あぁ、きっと何処かでまだ息を潜めてるに違いない。しかも今日はアイツのバースデーってわけだ。』




トオルのヒットマンとして活躍したクスブリが花道をくぐり抜け、拘置所に突っ込むように入って行った。


どっしりと構え、生き生きとしたクスブリの表情が淳には忘れられない程印象的だった。




淳はクスブリに刺された夜のことを思い出していた。


話しは病院でクスブリに刺された淳と出会った後の野見山の逃走劇に戻る。


野見山は光恵という女に出会っていた。


後の全国大会の会場にまで顔を出したアノ女だ。





第23話に続く。