あぁ…なんてセンスのないタイトル…。
そんな訳で今日の話題は、今月末に迫った藤本vs石田のヘビー級戦についてです。
僅か4人のボクサーで見切り発車した日本ヘビー級。
王座決定戦でオケロ・ピーターを下して王座を獲得し、
挑戦者決定戦を制した竹原虎辰も退けて、
早くも防衛ロードが暗礁に乗り上げた藤本。
選手がいない訳ですから、早晩この事態が訪れることは分かりきっていましたが、
そこへ名乗りを上げたのが、今回の石田でした。
石田の決断は、新たなステージでの挑戦と捉えるべきか、
引退前の打ち上げ花火と取るべきかは微妙なところですが、
藤本としては挑戦者が名乗りを上げたことは有難いでしょうし、
相手がネームバリューのある選手であることも、
オイシイと思っていることでしょう。
しかし、今回の試合の構図としては、主役はあくまで石田です。
結局のところ、この試合に関しての観客の興味はただ一点に集約されます。
「石田は本当にヘビー級で戦えるのか…?」
以前に少し書きましたが、僕は個人的にはヘビー級に興味がありません。
これは日本だけでなく、世界のヘビー級という括りでも同様です。
何と言うか乱暴な区別、物言いになってしまいますが、
「体重制限のない階級」というのが、最早ボクシングと思えないんですよね。
例えば昨今、世界戦での体重超過が多発して問題になっていますが、
ヘビー級だけはこの前提すらない。
「同じ体格の者同士が技術の優劣で競い合う」そのための階級制であって、
そこの前提から逸脱しているヘビー級を、ボクシングに引っくるめてしまうことに、
僕はかなり違和感を感じています。
それと単純に、ヘビー級のボクシングが面白いと思ったことがありません。
アリ、タイソン、フォアマン、ホリフィールド…
かつてのヘビー級全盛期には魅力的なタレントがいたことは否定しませんが、
それでも全階級を通じても魅力的なボクシングかと言われると…。
例えばクリチコ。まあ強いですけど、それは体格も含めた強さであって、
デカいだけと言えなくもない。他が弱すぎると言えなくもない。
クリチコの強さを称賛する声は山とありますが、
「クリチコの技術が素晴らしい」「クリチコのような選手になりたい」
こういった評価は聞いたことがありません。
…で、そんな階級の、しかも選手も揃わない「日本ヘビー級」という狭い括りで、
石田が王座を狙う(タイトルマッチには認定されなかったが)意味は、
少なくとも僕には見いだせません。
村田との対戦が実現せず、誰もやっていないことに挑戦したかったとしても、
最後にこんなモン選ぶなよ…との思いはあります。
しかし試合自体への興味は薄くとも、石田に絶対に勝ってほしい、
藤本に負けてほしくないという気持ちは強く持っています。
藤本のボクシングは生観戦を含めて何試合か見ていますが、
僕の中のヘビー級への偏見を払拭できるような技術、実力は、
到底持ち合わせていません。
Kー1時代の実績は知りませんが、平たく言えば弱いです。
もちろん技術では石田の方がはるかに上。
しかし…圧倒的な体格差は、その全てを飲み込んでしまう可能性がある。
「結局、デカい奴が勝つ」その結末を認めたくないんです。
こういうファンって、僕だけなのかなぁ…?
まあでも少し真面目に予想すると、
石田はスピードと技術で勝負するとは言っていますが、
ヘビー級まで増量した身体で、どこまでスピードを維持しているかは未知数です。
一方で体格面…身長はむしろ石田の方が高いんですね。(4cm)
ハンディキャップマッチのようなイメージですが、そう考えていくと、
試合は案外普通に推移していくのかもしれません。
しかし、これはあくまである程度の距離でボクシングをしたら、の話。
身体を付けての揉み合い、打ち合いになれば、
ナチュラルなパワーの差は如実に表れるでしょう。
そんな展開が続けば、心配されるのはむしろ石田のスタミナ面。
終盤に捕まる可能性は低くないと思います。
そこで響いてくるのが、この試合がノンタイトル8回戦で行われるということ。
石田のヘビー級での実績の無さを考慮して、タイトル認定は見送られましたが、
ラウンドが少しでも短くなるのは、体力勝負で分が悪い石田にはプラスに働きます。
勝つことだけを考えたら、これでよかったのではないでしょうか。
引退云々は最終的には選手本人が決めることですが、
正直石田には、ゴロフキン戦を最後にして欲しかったと思っています。
アメリカに長期滞在しながらチャンスを窺い、
西岡とは違う形で海外への道を拓いたパイオニア。
その石田の最終戦となる公算も高いこの試合、
僕の望んだ形とは違うものになりましたが、
是非、有終の美を飾って欲しいものです。
最後に…内山の試合ってまだ決まらないんですかね?
一時期マイキー・ガルシアなんて景気のいい名前も出ていましたが、
ガルシアはトップランクと揉めているようなので、まあ次はないかな、と。
そうすると、同じようにアブネル・マレスとの試合が流れた三浦と、
急転直下、統一戦が決定!なんて都合のいい話にはならないですかね?
このブログで触れた直後に試合決定というケースが何度かあったので、
期待を込めて、最後に触れてみました。