はじめてこの地を訪れた時、非常に困ったことがある。
当時は、私は海外旅行なんて、数えるほどしかいったことがなく、今のように「世界中でどこでも仕事ができる」という状態でもなく、要するにただの旅人(バックパッカー)であり一人の放浪者としてカオサン通り(カオサンロード)を訪れた。
当時の私は、旅人(バックパッカー)とは、事前に何も調べずただ気の向くままに全世界を歩き回る人種であり、事前に情報を仕入れていくことは御法度(ごはっと)だと思っていた。そのため、片道の航空券の価格以外ほとんど何も調べていかなかった。
そして見事にそれが裏目に出た。
何故なら、私は現地の通貨レートさえ調べていかなかった。そのため、日本円に換算するとこれは一体いくらなのだろうかと思うことが多々あり・・・。
しかも、当時私は、「海外は怖いところ!特にアジアは怖い!日本人はお金持っていると思われているからぼったくられる!」という固定観念があり(事実ではあるのだが・・・)、お金を使うことに対する恐怖があった。そんなもんだから、カオサンではじめて泊まった安宿(ゲストハウス)や、そこにくるまでのタクシー料金など、後で計算すると「・・・こんなにしたのか」とびっくりしたくらいだ。
確か、旅にでた初日はお金をぼったくられる恐怖から、一口も食べ物を口にしていなかったと思う(飲み物は何故か手元にあったと記憶している)。しかし、食べ物はたべなければならない。それにはお金を払う必要がある。
考えた結果、「あっコンビニがある」と想い、まさかセブンイレブンでぼったくられることはないだろうと考え、何故かカオサンより少し離れた、通りプラスメン通りにあるセブンイレブンに私は足を踏み入れた。
ずらっと並んだ食料品たち。私は、溢れ出てくるつばを飲み込み、じっと食べ物の値段を観察した。要するに「相場の確認」である。例えば、菓子パンがあったとして、日本での値段と比較し、おおよそのレートを調べていった。
そうすることで、お金の価値というものを学んでいった。
今では考えられない、非常に貴重な体験だ。
旅では、想定外の思いもよらぬ出来事がたくさん起きる。それをひとつひとつ解決していくのが、また快感だったりする。
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