好きになってしまった人に、たまたま妻がいたとする…あるいは夫が。または、子どもが。
不倫の良し悪しはさておき、人が人を好きになるということは、誰にもどうする事もできない、すべての人が持っている感情で、夫がいるからとか妻がいるからとかで簡単に止められるものではない。…と、ワタシは思っている。
フランクとモリーはまさに、お互いに妻、夫がいながらにして惹かれあった感情をどうすることもできずにいる。これまで家族として築いてきたものすべてをぶち壊す勇気もなく、かと言って想いを断ち切ることもできない。その迷いが、切なくて、哀しくて、そして美しくて。。。
生きていると、様々なところで、様々な形で新しい出逢いが訪れる。それらはすべて「運命の出逢い」であって、ときにそれはいたずらに人を悩ませる。
結婚していたら、もう誰のことも好きになったらいけないのかな…結婚している人を、好きになったらいけないのかな…それは、違うと、ワタシは思う。
アニエス・ヴァルダの「幸福-しあわせ-」を観て思うのが、誰かの幸せの反対側には、その分、哀しい想いをしている人がいるということ。「恋におちて」を観て同じことを思った。
不倫の良し悪しはさておき、恋をしたことがある人なら誰もが心当たりはあるはず…同じ電車に乗りたくて駅まで急いだり、どんな言葉をかけようかこっそり練習してみたり、なにを着ようか鏡の前で迷ったり。
もっともっと惹かれていく気持ちや会いたいのに会えないもどかしさ。
結婚してからも、この気持ちが続く人がどれだけいるのか分からないけど、恋というのは、消えてしまってはいけない感情なんだと、ワタシは思う。